国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の「そっ啄の機」   うさちゃん

 「そっ啄の機」という言葉がある。得がたい好機の意味で使われる。比喩であって、親鳥が、孵化しようとしている卵を外からつついてやる、それと卵を外から殻を破ろうとするのが、ぴったり呼吸の合うことをいったもののようである。われわれはほとんど毎日のように、何かしら新しい考えの卵を頭の中で生み落としている。ただそれを自覚しないだけである。頭の中に卵が暖めてあって、まさに孵化しようとしている時なら、ほんのちょっとしたきっかけがあれば、それで雛がかえる。この千に一番のかね合いが難しい。それで「そっ啄の機」が偶然のことのように思われるのである。
 私は、「そっ啄の機」という言葉を今回初めて知った。「そっ啄の機」のような、タイミングの良かったことが過去のあったか思いめぐらせてみたが、なかなか思い浮かばない。しかし、タイミングの悪いことは、すぐに思いうかんだ。もしかしたらタイミングのいいことは、あまり印象に残らず、タイミングが悪かったことはよく印象に残るのかもしれない。
 私のお父さんは、ほぼ毎日、会社から夜遅くに帰ってくる。でも、時々早く帰ってくる時もあるから、夕ご飯を残しておくかどうか迷う。お父さんが帰ってくるかどうかは、当たらないときもあるけれど、大体分かる。この予想がはずれると、家族の中でよくあるタイミング悪いことが起こる。例えば、
「今日は、お父さん帰って来るの遅そうだね。」
「うん。食べちゃおうか。」
と、全部食べてしまった瞬間、
「ただいまー。ご飯ある?」
と言ってお父さんが帰って来るということだ。(なんかタイミングが悪いような良いような出来事だな。)思わず口の中に入っている物を出したくなるような気分・・・。
 逆に、タイミングが良かったこととは何だろう。なかなか思い出せない。
「お母さん。タイミングが良かったことって、思い出せればで良いんだけれど、ある?」
「う〜ん。最近のことなんだけれど、お肉屋で、お肉を買った後、家で、もう一品おかず作っているひまはないし、シュウマイでも注文しよう。と思っていたら、ちょうどお店の人が、『サービスです。』と言ってシュウマイをおまけしてくれたのよ。」
私は、まるで以心伝心のテレパシーのようだと思った。
「そうなんだ。じゃあ、おととい食べたシュウマイはあのサービスしてくれたシュウマイだったの?」
「そう。しかも、五個ぐらいと思ったらちょうど五個おまけしてくれてすごく嬉しかったのよね。」
これも、店員さんのシュウマイを出すタイミングが良かったのだ。まさに、これこそ「そっ啄の機」だ。もし、シュウマイを他のお店で買った後に、「サービスです。」と、もらったらタイミングが良いとはいわない。
 お母さんの例を聞いて、私も思い出したのだが、急いでいる時、信号のつなぎがめちゃめちゃ良いことがある。忘れていただけで、「そっ啄の機」のような事は、すごく身近にあるものだなと思った。
 前に聞いたのだが、小学生の中で、二年生が一番、丸暗記が得意な学年だそうだ。意味が分からなくても、百人一首や、難しい古文も覚えようと思えば暗記できる。でも、私たちのような高学年になってくると、意味が分からないと丸暗記ができなくなるようになるらしい。だから二年生で九九を覚えるのだ。それに、小学二年生は時間がたくさんある。(二年生は楽でいいな〜。)小学二年生のうちに九九を覚えるというタイミングは、理にかなったことだといえる。これも「そっ啄の機」だといえそうだ。私はこのことから『好機逸すべからず。』ということが分かった。

   講評   tama

 何事にもタイミングが大切なのですが、そのタイミングを見極めるのが難しいのですね。一瞬のタイミングがずれてしまったために、すべてがうまくいかなくなることもあれば、お母さんの例のように、思い通りになったことで小さな幸せを感じることができたりするのですね。

【前の話聞いた話】 食事が終わった瞬間に帰ってきたお父さんの例は、うさちゃんの言うとおり「タイミングが悪いような良いような出来事」ですね(笑)。店員さんがシュウマイを出すタイミング、2年生で九九を覚えるというタイミングについても「そっ啄の機」なのだと深く考えることができました。

【たとえ・ことわざの引用】 「以心伝心のテレパシーのよう」。驚き、感激したうさちゃんの顔が目にうかぶようです。
 「好機逸すべからず」。ぴったりのことわざです。

【わかったこと】 「チャンスの神様には、前髪しかない」という話を聞いたことがありますか? その前髪をつかまなければ、通り過ぎた後に決して神様をつかまえることができない、ということです(本当かな?)。要するに「絶好の機会を逃すな」ということですね。ことわざを使ってのまとめも完璧です。


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