国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2259 今日467 合計5339
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   頭と心   いへゆ

 戦争での犠牲がなければ今の平和がなかったわけではない。犠牲の上にしか平和が成立しないのだとしたら、そんな平和はいらない。死者たちの上に築かれた平和を楽しむ資格など誰にもないのだ。覚悟の犠牲ではなく無念の死であったという前提から考えないかぎり、また同じことがくりかえされるだろう。薄っぺらな政治の言葉ではなく、戦場で何が起こったかを確定してゆく堅固な言葉によって、あの戦争を定義するのが必要なのだ。
 たしかに、また繰り返さないように原因を考えることは必要という意見もある。一度失敗したことを、二度繰り返すというまぬけなことをしないためにも、原因を考える必要がある。たとえば、テストなどがそうだ。初めに受けたテストで間違えた問題を、また2回目の再テストで間違えたら、再テストの意味が無い。再テストで自信を持って答えを書けるようにするために、
「ここは、なぜ間違えたのか。」
「時間切れにならないようにするためには、どういうふうに問題を解けばいいのか。」
などを考えることが必要だ。それに、失敗した原因を考えなければ、科学がここまで進歩することもなかっただろうし、もちろん今の豊かな生活もなかったと思う。なぜなら、
「あれは失敗した実験だから、おいておこう。」
などと、原因を考えずにあきらめていたら、新しい実験は、いろいろ行われるだろうが、成功する確率は少なくなると思う。失敗したことを、次の新しいことに活かすことができるから、人は成長するのだと思う。このように、頭で考えることも大切なのだ。
 しかし、ただ心で反省することも必要だという意見もある。なぜなら、人は心で動く動物だからだ。たとえば、友達と喧嘩したときに、
「あんまり、自分を主張しすぎると喧嘩になるから、次は相手のこともよく聞いたほうがいいなぁ。」
と次のときのことを考えているだけでは、友達に
「なにあの子。自分の悪かったこともあやまらずに、次のときのこと考えてるなんてバカじゃないの。もうあの子とは話したくない!」
と言って、絶交されてしまう。絶交されては、『次』という機会もないし、ただたんに、友達が減っていくだけだ。そうならないためにも、
「あのとき、ちょっと言いすぎたかなぁ。次に会ったときあやまらなアカンなぁ。」
と反省することが大切なのだ。機会みたいに、失敗したら、またやり直せばいい。というのではなく、人間どうしの問題なのだから、相手の心情も考えて行動することが大切だ。昔話に『わらしべ長者』というお話がある。これは、「お金持ちになりたい」と強く心で思っていたら、夢がかなったというお話だ。このように、強く心で思うことも大切なのだ。
 たしかに、原因を考えたり、反省したりすることは大切だ。しかし、『哲学者たちは、世界をさまざまに解釈してきた。しかし、大切なのは、解釈することではなく、変革することである。』という言葉があるように、過去のことを考えることよりも、今なにをすべきかということのほうが大切だ。

   講評   huzi

 大きな失敗をした時に、残念に思い悲しむ心と、原因を究明する頭のどちらが必要か。どちらも、必要ですね。長文の反省は、その悲しむ心さえも、単に表面的な言葉になってしまっていることを指摘しています。
  厚みのある意見文に仕上げることができました。戦争を例にとって書かれた長文を、自分の体験に置き換えることに成功したね。置き換えができる、これは、意見文を書く上でとても大切です。長文をよく吟味し、何を言いたいのかポイントに気づくことができたら、今回のように思い切って、自分の経験にジャンプしてみましょう。
  失敗の原因を見るのは、嫌なことです。弱く、足りない自分と向かい合わなければならないから。勇気のない人は、そんな嫌なことからは逃げて、新しい夢にすがりつこうとします。でも、それを繰り返していると、いずれ失敗作の山ができるだけですね。成長について、よく掘り下げられました。
 一方、人間同士の関係では、心でぶつかることも大切ですね。どのようにすればよいか、対策を練りすぎると、不自然な態度が相手に伝わって、かえって関係が悪化すると考えたのですね。人間は機械とは違う、心で動く動物。そのとおりだと思います。
 わらしべ長者は、よほど強い思いを持っていたのでしょう(笑)。
 【総合化】は、変革のために今、なすべきことを考えると、【名言引用】を生かした結びにまとめられました。簡潔ながら重みがあり、みごとです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)