国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
なじみやすさ タラちゃん
機械は人びとの生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものという信仰がまちがえでなかったことは、人類がついに月に到達することによって証明されたかのように見えた。そして、これまでの建築は、芸術性と工学的な技術に重点がおかれていた。また、考えてみるとわれわれの生活の大部分は、生物的嗜好でよいわるいを判断していることのほうが多い。ところで、われわれは、これまで鉄とガラスとコンクリートで囲まれた空間をつくれば、それが時代の先端を行く文明の象徴だというイメージを持っていた。冷たい無機質の材料で囲まれた舞台装置のようなインテリアよりも、木やもめんのような素朴な材料で囲まれた泥臭さの中に、なにか人間の本質といったものがひそんでいることに気がついたのである。
ところで、整った外観よりもなじみやすいことの方が大事だ。
第一の理由として、整いすぎた環境よりも、たとえ統制はとれていなくても慣れ親しんだ状態の方が落ち着くからだ。
冬休みに家族でグアムに行った。その時に行ったホテルがまあ部屋も豪華で(自分で言うのも少し抵抗があるが・・・(笑)
)とても整っていた。四泊したのだが、最初の方は部屋に飽きずにいたが、慣れてくると、やっぱり家の方がなんか落ち着くなあと感じてきたのだ。これはどこに泊まりに行っても僕にとっては同じなのだ。
第二の理由として、整いすぎた環境はかえって落ち着かないからだ。
このようなデータがある。「日本の年間海外旅行者数は1500万人を突破」。
これは日本の決まった法律を毎日きちっと守って生活するよりは、時には違う国に行って日本の法律にとらわれない時を過ごしたいと思う人が多数いるということだ。まだ僕は大人ではないので法律の厳しさみたいなものは肌には感じてはいない。また、違う理由としてこのようなデータもある。「日本の住みたい都道府県 第1位 東京都、住みたくない都道府県 第1位 東京都」。
これはその通りだと思った。都心の四角い高いビルや車の交通量・・・など公害問題や住みにくさといったら東京はだめである。それに施設の環境も整いすぎても、居やすさといったら少し低いと思う。
確かに整っているものは見てて素晴らしいと思える。
僕も整っている状況の方が集中ができて、どちらかというと勉強はしやすい。しかし、いくら整っていたって、例えば自分の部屋であれば、机の上にいろいろと置いてあったりしていた方がより落ち着くことができる。なので、整っているようなところよりは、なじみがある方が良いのである。
「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」
辞書のように整いすぎるのではなく、なじみやすくなるように整える程度にすることが大事なのではないかと思う。
講評 hira
本当にごちゃごちゃだと、さがしものをするだけで一日終わりそうですが(笑)、規則や無機質さだけでは、人間らしさや安心感が失われてしまいます。思えば言葉の森の講評もデジタルな森リンと人間的な泥臭さ(笑)との組み合わせですね。
第二段落の実例は、誰にも経験がありそうな普遍的な題材を持ってこられました。先生も旅行の後は混沌とした人間らしさ溢れる自宅・・・にふーっと安堵します。(でも、グアムは普遍的でないかも笑、いいな!)三段落目の「法律」はどちらかというと「日常」の方がぴったり来るかなと感じたけれどどうかな。
四段落目の主題は、自分の感覚(どちらかというと整理整頓はしっかりしたい)を生かしてまとめることが出来ました。規則正しさの中にも、人間らしいなじみやすさがないと息がつまりますよね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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