創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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私の正月の過ごし方 うさちゃん
「初詣でに、あなたが一緒についてくるのはあと何年だろうねえ。」
母は今年きた年賀状を整理しながら私に話しかけた。
「えーっ。ずっと一緒に行くよー。」
「あと二、三年かなぁ。その後は、『友達と行くからお母さん達で行ってきて。』って言われちゃうのかなあ。」
「ちょっと・・・、私の言っている事無視しないでよ!」
私のお正月の過ごし方は、一日目は、おせち料理を食べたら、浅草寺にお参りをしにいく。(というよりつぶされに行く!?)二日目は、書初めをみんなでやって、夜は、いとこが私の家に来て、一緒にすき焼きを食べる。三日目は、外に出てお買い物をする。という感じだ。
お正月、浅草寺は、足の踏み場が無いくらいの人が来て、みんなでおしくらまんじゅうをしながらお賽銭箱のところまで行く。お参りをする人がお賽銭を後ろから投げるので、お金がたくさん私の頭にぶつかって、かなり痛い。お堂の前のお賽銭箱は階段の上にあるので、階段の途中で下を見下ろすと、人がたくさん集まって、まるで人のじゅうたんのようになっていた。さっきまで私もこのじゅうたんの模様の一部だったんだなあと思った。
今年の書初めの宿題のお題は、『希望』だった。私も、お母さんも、習字がすごく苦手だ。しかし、お父さんはすごく上手だ。いつも、勉強などはお母さんに教えてもらうが、この日ばかりは、習字の上手なお父さんの出番だ。私が習字道具を広げて書き始めると、いつのまにか横に来て、一緒になって書いている。そのうち、「これいいなあ。」とか言って私のことはそっちのけで書いている。今年からは、年中の妹も一緒に書くようになって、お父さんに、
「字のバランスが取れているなあ。」
とほめられ、悦に入っていた。(ちょっと悔しい。)お母さんも、書いたけれど、お父さんに
「まあまあだなあ。」
と言われていた。お母さんは、書初めの宿題の時、お手本の上に、ラップをしいて、その上からなぞった事があるらしい。(そのズルもらい!)お母さんは、先生にそれを出すと、先生が、「上手だね。」と言ったので、あいまいに「えへへ。」と返事をしたそうだ。その後、お母さんが書いた書初めが区の展覧会に出されてしまったそうだ。こういうお母さんみたいなズルをする人がいるから今は、普通の半紙とちがう大きさのお手本が出るとか、もう一度書き直した物が区の展覧会に出されるようになったのかなあと思った。
お母さんの小さい頃、お正月の一番の楽しみは花札だったそうだ。
「小中学生の頃、お正月は姉弟で花札をするのが恒例の過ごし方だったのよ。」
「花札って何?」
「知らないの?絵合わせトランプみたいなものよ。日本のトランプって言った方がいいかしら?今度一緒にやってみようね」
花札について調べたのだが、今、コンピューターゲームで有名な任天堂という会社が売っているそうだ。私も持っている任天堂DSのゲームが花札の会社だったと聞いて、驚いた。(お母さんは逆に、花札の会社がゲームを出したからびっくりしたそうだ。)
お母さんの子供時代の正月恒例の過ごし方と、今の私の過ごし方が違うように、友達に聞いてみればそれぞれ違う正月恒例の過ごし方があるだろう。まさに、『十人十色』だということが分かった。来年のことをいうと『鬼が笑う』かもしれないが、来年も、今年と同じ様に幸せな恒例の過ごし方ができるといいなと思った。
お母さんが、年賀状の束を、輪ゴムで止めながら、
「そうね、あなたはまだまだ一緒に初詣でについて来るかな。」
とつぶやいた。
講評 tama
お母さんのお習字の「その後」と、それに関するうさちゃんの考えを付け加えて、さらに字数を増やすことができましたね。書き出しと結びが印象的な作文です。よい清書になりました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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