創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日4215 今日1139 合計60914
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   お金   シュシュ

 「セレブ」がもてはやされているのを、テレビや雑誌などで最近よく見かける。お金持ちであることが一つの長所となっていて自慢されているのだ。このようなメディアに囲まれた生活では当然かもしれないが、多くの人の目的がお金などの私利私欲となっているように思える。しかし、これは現代の日本社会の問題である。
 考えられる第一の原因は、第二次世界大戦で負けてからアメリカの考え方をはじめとするあらゆるものごとが、一気に日本に流入したという歴史的な背景にある。そして誰もその流れに抗わなかったために、資本主義が根づき日本は先進国の仲間入りをすることができた。しかし、人々の心の中にまで資本主義が入ってしまったかのような現在の風潮は、この流れの弊害と言ってもよいだろう。企業の利潤ばかりを追求してノルマを設けたりする会社が多い中で、資生堂が最近始めた面白い試みを先日朝日新聞で読んだ。この会社は、ノルマ制をやめて、顧客の一人一人が本当に満足する営業を目指すことを決めたそうだ。「一時は利益が落ちることは覚悟しているが、丁寧な仕事をすることで必ず将来的には大きな利益が出ることを信じている。」と書かれていた。私はこの言葉にとても感銘を受けた。消費者をだますようなことをしてお金をもうけている企業がある一方で、資生堂の試みは企業の本来あるべき姿を示してくれたと思う。建物の耐震強度からお菓子の賞味期限まで様々なものの偽装の流行に、これがきっかけとなってストップがかかってほしいものだ。
 第二の原因は、現在の日本にはさしせまった解決すべき課題がないという社会的な背景にある。環境問題が挙げられるかもしれないが、それも別に今すぐに大きな被害がもたらされるわけではない。私の祖父が持っているアパートに、日本の大学に留学している中国人の学生が住んでいる。日本の学生が遊んでいる一方で、この中国人の学生はいつも遅くまで勉強をしているそうだ。日本人の学生は、多くの人が学費も出してもらえるし余裕があるために遊んでいられるが、中国から日本に学びにきたこの学生には、勉強をしてはやく自分の国のために働かなければいけないという使命感があるのだと思う。日本が豊かなことは良いが、それゆえに高い次元の目標や価値観が持ちにくいのが今の社会の現状である。確かに日本人の普通の学生が「日本をたてなおしたい」などと発言しても、何だかばかにされたりからかわれたりしそうだ。ケガをした野生の動物を保護してから、自然に戻すのは難しいといわれるが、これも一度恵まれた環境におかれてしまうと、厳しい自然の中では自分で生きることが大変だからだろう。(自然科学実例)
 確かに、人が生きるのにお金は必要だ。しかし、そればかりが大きな目的となっている現代の日本社会は問題である。J・アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」に出てくる小人症のリリーは、自分が大きくなるために物語を書き始めた。結果的にそれはベストセラーとなり一家は大金持ちになった。人間は、お金ではなく自分や社会の成長のために生きるべきだ。

   講評   nane

 新聞に載った資生堂の記事の話はいいね。
 これからは、消費者の見る目も高くなってくるから、外見だけの売り方ではかえって反発を感じることになる。コマーシャルがこれだけ豊富になると、本当に信頼できる情報をみんなが求めるから、正道で行くことがいちばんいい方法になるのかもしれないね。このように、最近の時事問題を盛り込むのはいい書き方。しかも、目のつけどころがいい。
 おじいさんのアパートの留学生の例も説得力がある。
 「ケガをした野生動物……」の科学実例は、オリジナルだったね。でも、これに似た例はやはり多く、ある農場では、ニワトリをヒナのうちに厳しい環境で育てるらしい。すると、丈夫なニワトリにになって元気な卵を産むらしい。生物は、何でも煮ているね。
 「ニューハンプシャー」は、新しい本(笑)。新たなジャンルを次々と開拓しているね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)