創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   景色との調和   タクミコ

私たちは建物をみるときその建物は誰が何時いかなる目的で建てたのかという知的関心の方に動かされやすいが、それは印象体験や感動を弱めるか、打ち消すかするのに作用するのである。大切なのは、その対象をまず生きた一つの全体、つまり、風景として見て感じるということ、或いはその対象との出会いを新鮮に体験するということだ。また、風景は情をもっているので、風景を発見する人間と出会うときにそれは生きた現象となるのだ。しかし、現代社会では風景の心を無視した資本主義的営利関心のつくり出す建造物がむき出しに風景を破壊しており、風景の心が失われつつある。
その第一の原因は、私たちが戦後、西洋の合理主義を取り入れた代わりに伝統のよさを否定するようになったからである。その土地の歴史を無視してしまっているのだ。
また、第二の原因は、今日の社会が利益にならないものは評価しないという論理で動いているということから、「景色との調和」などの利益にならないものは軽視されがちであることだ。ヒトを含む狭鼻猿類は三色型の色覚をもっているが、それは進化の過程でいったん失ったものを再獲得したのではないかと考えられており、再獲得してからの歴史が浅いことから人間には色覚異常、つまり二色型色覚の人がみられるそうだ。
これはつまり、使用しないと退化してしまうということが表れている。我々にせっかく与えられたものを自らの利益という観点から、「不必要」だと判断するのはあまりにももったいないのではないだろうか。
確かに、現代社会は合理主義によって高層ビルと共に発展してきた。しかし、私たちは心の豊かさを保つという意味でも風景がもっている情を大切にし、風景の心を重視していく必要がある。風景は、歴史的・文化的人間の生と自然的・風土的生との一つの結合として現象するものだから、それは私たちを優しく包みこんでくれるものであり、安心感を与えてくれるものである。資本主義的営利関心だけでは、私たちはいつか限界がきてしまうはずだ。人間は、自然を支配する存在なのではなく、絶対的創造神の被造物であるという点で自然の一部なのである。私たちは風景の心だけでなく自分の心の豊かさをも忘れずに、景色との調和を実現できる社会をつくっていかねばならない。

   講評   hota

 頑張って、2週目も提出できましたね。エライ。しかも、森リンの点数が、86点。学年内87点ですから、相当いい点数です。すばらしい。

 第2の原因の「自然科学実例」は、よいですね。特に「自然科学実例」は、私も知りませんでした。なるほど。そうなんですか。
 結びの段落、自作名言もうまく入りましたね。

 このテーマだと、京都などに代表される、歴史的な町での景観保護の問題が思い起こされます。条例を定めて保護しているはずの京都でも、新京都駅のビルなど、今ではかなりビルが建ち、昔の面影はありません。「開発と景観保護」、これはどうしても両立しないものなのでしょうか。

 2つ見せてもらいました。清書は、やはりこちらかなあ。要約を簡単にすることと、「社会問題の主題」と原因二つは、少しヒントに出ている言葉がそのまま使われているので、もう少し自分なりに練った言葉に変えてもらえれば、パーフェクトです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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