国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「話し合うことの意義」   ジョニー

 イスラエルを旅していたとき「ここでは全員一致の採決は採用しないんですよ」と聞かされた。それは、まず第一に、みんなが一致できるような案件は、いちいち採決にかけないという事情があるだろう。反対意見が出ないのはおかしいのである。この世にある、全ての困難な決断は、イエスとノーの比率が五十五から四十五の間にある。この僅少の差異を・・・わずかな迷いをどう考えるか、この世の悩みはそこにある。こんなふうに考えてみると、全員一致を排除するパラドックスもおおいに意味を持つように思えてならない。(要約)
 確かに、多数決で物事を決めることは大切だ。僕が小学生の時、週に一時間、学活という授業があった。学活とは、クラスの皆で、その日の学活の時間内で何をするのかを決めて、決まったことを行い、楽しむ授業だった。大変なのは、まず皆で意見を出し合って、何をするのかを多数決で決めることだ。何をするのかを決めるのに、うまくいけば10分くらいで決められたが、いろいろ話し合っていると授業の半分以上の時間がかかってしまうこともあり、せっかく決めたことを実行する時間が台無しになってしまうこともあった。もし全員一致になるまで話し合っていたら、何をするかを決めるだけで授業が終わってしまっていたことだろう。
 しかし、全員一致になるまで話し合うことも大切だ。昔話に、「さるかに合戦」がある。お母さんガニがせっかく育てた柿の木の実を、悪賢い乱暴者のサルに全部食べられてしまったうえ、固いカキを投げつけられ、それがきっかけでお母さんガニは死んでしまった。お母さんガニの子供3匹は、クリとハチと臼と牛のクソを従えて、にくいサルをやっつけてやろうと立ち上がった。そして、全員でしっかりと計画を練って、意見が全員一致したからこそサルを痛い目にあわすことができたのだ。
 先日、学校の図書委員会で「卒業生を送る会」の飾り付けのことを話し合った。生徒からいろいろな意見が出た。1案として、それぞれの部活のシンボルになるようなもの、例えば、野球部ならボールとバット、吹奏楽部なら楽器などの絵を描いてそれを体育館の壁に貼るという案。2案として、色紙で輪つなぎを作って飾るという案。3案として、画用紙で作った桜のはなびら1枚ずつに卒業生全員の名前を書いて、壁に貼るという案など。僕は1案2案の両方が良いと思った。しかし、先生が
「1案は、帰宅部の人が寂しい思いをするのではないか?」
と完全否定するように言った。そこで一人の生徒が
「それは先生の意見でしょ?部活やってない人は、本当のことだから仕方ないじゃないですか?そこまで気を使う必要はないんじゃないですか?」
と言ったが、先生の意見には逆らえない雰囲気があり、結局、全員一致で、3案が採用された。しかし、内心僕は、
(3年生全員の名前を書くなんて、めんどくさ。部活は学校生活の中で強く印象に残る思い出だし、めんどくさくなくて1案の方が良いのに。)
と思っていた。僕の通っている中学は部活が盛んなことで有名な学校だからだ。
 このように、ものごとを決めるときの方法として、多数決で決めることにも、全員一致まで話し合って決めることにも、どちらにもそれぞれの良さがある。しかし、「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にすることである。」という名言もあるように、一番大切なことは、話し合いの内容の濃さである。

   講評   inoko

 ジョニー君、こんにちは。
クラスで物事を決めるとき、やはり最終的には多数決ということが多いでしょうね。みんなの意見を集約して、一つの方向性を定めるためには、最良の方法でしょう。しかし、多数決に至るまでに、どれだけ話し合いを重ねたかどうかが重要ですね。それぞれが積極的に意見交換できるような話し合いの場を持つことにより、元々は自分の意に添わないような結論が出たとしても、ある程度納得することはできるからです。ジョニー君が書いているように、内容の濃さが鍵ですね。


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