創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日3224 今日717 合計56277
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   マラソンはテスト   ミスターカービィ

 ゼェー、ゼェーッ。
ぼくは、今にも倒れそうになりそうです。それでも、ぼくは、走りました。
 きょうは、学校で「マラソン大会」がありました。二年生のときに始まった運動競技大会です。四年生40人が一斉にマラソンコースを走ります。毎年、コースは、誰が決めるのか、不思議なことに違います。
今年は、去年と異なり地獄のようなコースでした。まず、運動場の周りを走り、そのまま、Uターンして元の道を走ります。次に、人工芝生のある中庭を半周程して、再び、運動場の周囲を走ります。そして、驚くことに三周も、ひたすら、走り続けるのです。距離に直すと、約2,000メートル。すなわち、2キロメートルにもなるのです。ぼくは、コースを聞いただけで頭が痛くなりました。
 ピーッ。
体育科の○○先生が笛を勢いよく吹きました。その合図と同時に、四年生が我先にと走り出しました。ぼくの作戦は、走り始めは、ゆっくりし後から全力をだすやり方です。
 しかし、運が悪くぼくは、この日、足が痛かったのです。ぼくは、ともかく、足がこれ以上、痛くならないように足をかばいながら走りました。ところが、足だけではなく、ゼェー、ゼェーッと息が切れてきました。足も、ジリジリと痛み出しました。スピードを出そうとしても、足の痛みが邪魔をしに来るのです。エイホウ、エイホウ、とぼくは、心の中で自分自身を応援しました。
 遂に、ラストの3週を周りかけたとき、後を走っていた友達がぼくに追いついて来ました。ぼくは、ヤバイ、と必死に走りました。ゴールのほうを見ると、先に走り終えた女子達が門の前で待ってくれていました。ぼくは、一人でも多く抜かして、順位を上げたかったので残ったパワーを振り絞りました。初めは、友達に追い抜かされ、その子がぼくの先を悠々と走っていましたが、遂に、友達と隣になりました。みんながぼく達のことを応援しながら、興奮しています。
 「やったー。やったぞ。」
 ぼくは、念願通りゴールを切りました。そして、友達を抜かすことができたのです。息を切らせながら喜んでいると、その友人が、
 「さすが、カービィ。」
と、ぼくをほめてくれました。さすがのぼくも、少々、照れくさかったです。結果は、45人中、40位。順位は、恥ずかしながら下の方だったけれど、ぼくの心は、天に昇るほど上機嫌でした。なぜなら、友達を抜かせ、そして、満足してゴールを切ったからです。
 ぼくは、二年生のときにヱスビー食品が主催するオークワちびっ子マラソン大会に参加しました。この大会のとき、とても、うらやましい男の子がいました。その子は、走っている途中、犬に逢って犬に追いかけられたのです。だから、その子は、犬の精でコースを走られなかったのです。その子は、閉会式のとき、大会委員長が気の毒がってポカリスエットを一箱、貰いました。その光景を見て、ぼくは、いいなあ、と思いました。でも、その子は、さぼって走らなかったのではなく、犬のせいで走れなかったのです。仕方がないことです。おそらく、ぼくなら犬に追いかけられたままゴールを目指します。ぼくは、人一倍、犬が大嫌いだからです。そして、犬と一緒にゴールします。
 マラソンとは、自分の力を試すテストかも知れません。マラソンという試験によって、自分の持っている体力や努力の大きさが分かります。テストに点数は、関係ありません。自分の力を全て、出し切ればいいのです。
 ゼェー、ゼェーッ。
ぼくには、まだ、ゴールを切ったあのときの気持ちが残っています。

   講評   ita

こんにちは、カービィー君。テンポのあるいい作文が書けましたね。言葉だけで飾られる作文ではなく、くるくると変わるカービィー君の表情がとてもいいと思いました。かっこ悪いことも全て作文を盛り上げてくれる名脇役です。是非登場させてあげてね。
【第一段落】
 書き出しの工夫がしっかりできました。少し字数が短いのでもう少し膨らませてあげてもいいでしょう。
☆「倒れそうになりそうです」→「倒れそうです」
【第二段落】
 これはいい段落です。一瞬の出来事でもたくさん書けるのがカービィー君の才能ですね。マラソンの経過を細かく書くことができています。また、カービィー君の動作を書き、そのときの心の中の動きを書く。これが読んでいる人の想像を書きたてるようです。よくできました。
【第三段落】
 やっぱり、ポカリスウェットのことが頭から離れたなかったようですね。(笑)もう少し中心に近づけるとしたら、犬によって走れなかった子の気持ちを想像してもいいかな。もちろんこのままで十分です。(^o^)
【第四段落】
 マラソンというものを大きい視点でとらえることができました。そう、自分の力を出し切れば自信につながります。自分との戦いであるマラソンから学ぶことは大きいようですね。
           

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)