創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   行間や空白の存在   光龍

 新聞というものをまるで読まないと言い切っている人がいる。そうかと思うと、朝手洗いで新刊書の広告を読むのが最大の楽しみだという人もいる。新聞を、月一度とか二度でなく毎日立つ縁日のようなものであると見ていることがある。論説記事は神社の神主さんの祝詞のようなものであり、謹聴しなければならないときは黙っておとなしく聴くが、終わったらホッとする類のものであり、経済記事はおみくじのようなもの、政治・社会面に至っては、小屋掛け芝居のようなもので、読み手たる私はぶらぶら散歩して夜店をひやかす客のような存在である。ということになると一番楽しく、ぴったりしているのはやはり広告欄という名の夜店通りかも知れない。広告も小さい下の書籍欄のように仲よく並んでいるのは、チャーミングな店舗であるが、全面広告のようなものはどちらかと言えば、香具師の口上じみているから、レイアウトを楽しむけれど、「眉つばもの」と聞きながす傾向がある。僕は、行間や余白といった物に目を向けるべきだと思う。
 第一の理由は、行間や余白のように一見役に立たないような物が重要な役割を果たしていることがあるからだ。最近は、テレビやインターネットなどで情報を仕入れる人が多くなってきているので、新聞を読む人もだんだんと少なくなってきているらしい。しかし、テレビはニュースの時間が決まっているので、好きな時間帯に見られないが、新聞ならそれが、可能である。じゃあ、インターネットを使えば良いじゃないか、と言う人が出てきそうだが、老人やパソコンの使い方が分からない人達などは、新聞を読む方が楽なのだ。それに新聞を読む事は、漢字の読みや言葉の使い方を覚える良い機会になるのだ。新聞では、見たいと思ったときに、新聞の広告を読む事ができる。これが、余白の重要な働きなのだ。
 もうひとつの理由は、行間や余白がないと疲れてしまうからだ。学校などであっても、ずーっとぶっつづけで授業をされたら、生徒達は頭が痛くなるだろう。先生がずっとしゃべり続けの授業と、面白い話を交えた授業だったらどっちが良いだろう。ほとんどの人が、面白い話を交えた授業の方が良いと言うに違いない。新聞にはこのような、行間や余白がたくさんある。例えば、広告や四コママンガなどだ。僕は毎朝、新聞を読んでいるのだが、一面を読み、テレビ欄を見て、四コママンガを見て・・・というふうに、面白いところをちょっとずつ読んでいくことによって、難しい所も読めるのだ。このような、程よい休息が、ちょっとした息抜きを与えてくれるのだ。
 確かに、テレビやインターネットのように中身が充実している事も大切だ。しかし、「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という名言があるように、行間や余白の存在にも意味がある。中身が充実しているだけじゃなく、休息を入れることも大切だ。

   講評   tama

 毎朝、新聞を読んでいるとは感心ですね。だからこそ新聞のよさ、行間や余白の必要性を訴えることができるというものです。共感できる体験実例と、説得力のある理由でまとめ上げた素晴らしい意見文です。

【複数の理由・実例】 一見役に立たないように見える行間や余白ですが、これによって新聞を身近に感じることができるのですね。新聞を読むきっかけになったり、程よい休息になったりするという考えを体験実例で色付けしたところはさすが光龍くんです。

【反対意見への理解・名言の引用】 時間に追われる現代人は、凝縮された中身を重視する傾向にありますが、存在するもの自体の意味を考えることの必要性を訴えることができました。

※ インターネットを使い「新聞購読率」などのキーワードで検索すると、最近の新聞離れと、購読していない理由などのデータが出てきます。独自で調べたデータを用いるのもよいでしょう。



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