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　　　楽しい?!夕食　　　本因坊

　プ〜ン。台所の方から、いい匂いが流れてきました。
　その日の夕食はカレーライスでした。カレールーの出来上がりが近づいたので、いい匂いが流れてきたのです。僕の家は、カレーライスだの、魚とほかほかまるで温泉のように湯気が立っているご飯だの、カツ丼だの、色々なものが出ます。（まるで　よう）僕が特に、
（これ、美味しいな〜。）
と思うものは、ギョーザのスープです。湯気が立っているそのスープは、ギョーザのコクが出ていてとても美味しいです。（です）
　楽しく夕食を食べているとき、よく、父が変な話だけど・・・・・・と言いながら、面白い話をしてくれます。例えば、会社の人が、地面が寒くて氷になってしまって、ツルツルとすべる上を歩いて転んだことや、終電に乗ったら、僕の家の最寄り駅の洋光台まで来ない桜木町行きで、そこからタクシーに乗ろうと思ったが、全然来ないので歩いて帰り、着いたのは翌日の明るくなった頃で、その日、腰が痛くて会社を休んでしまったことなど、その他にも色々な話をしてくれます。その他に、こんなに面白い話もあります。僕もそれが一番面白く感じたので、それを詳しく書きましょう。
　その頃は、まだ、八王子に住んでいました。ある日、お酒で酔ってしまい、新宿で友達に電車（中央線）に乗せてもらいました。だが、乗せてもらった電車が、後で大変なことになるきっかけでした。そう、友達の親切が、逆に後で大変になったきっかけだったのです。父は、その電車の中で、ぐっすり眠りました。どのくらい寝たのか、はっと気が付いた時にはもう酔いも覚め、どこかの線路をガタゴトと音をたてて走っていました。外を見ると、高層ビルも住宅街も無く、辺り一面、緑の草原でした。
（ここは、どこだろう？）
と考える父の耳にとんでもない言葉が飛び込んできました。
「次はー甲府ー甲府ー。間もなく甲府です。お出口は・・・・・・。」
とです。父ははっとしました。甲府といえば、あの山梨県の県庁所在地、甲府です。父も、初めは耳をうたがったそうです。けれども、
（いいや、合っている。）
と考えました。新宿と八王子の間に住宅街すら無い所何て想像出来ません。いや、無いのです。父はびっくりして、甲府で電車を降りました。その電車は、また走っていきました。新宿でもう一本電車を遅らせておけば、八王子から二つ過ぎた高尾で降りられたのです。仕方が無いので、その日は、ずっと甲府で過ごし、（といっても単に始発を待っただけ）始発を待ったそうです。その始発で急いで家に帰ったそうです。（前）途中、所々
（えっっ!!　ドキドキ。）
と思うところがあるので、僕は父の変な話だけど・・・・・・を待っています。母は、
「また変な話？？」と言いながらも耳を傾けています。
　ずいぶん前、夕食にトンカツ屋に行きました。僕の母も、揚げ物は嫌いなはずなのに、あそこのトンカツは美味しい、とよく食べに行っています。
　楽しい夕食は、僕を
（明日も頑張るぞ!）
という気持ちにしてくれます。逆に、楽しくない夕食だと、
（ああやだな。）
という気持ちの方が勝ってしまいます。だから、楽しい夕食は、大切な物だと思います。そして夕食は、家族の全員と楽しく会話できるものだと思います。（心）
　プ〜ン。今日もまたいい匂いが、台所から流れてきます。　（情景の結び）

　　　講評　　　nane

　書き出しの工夫がおいしそう。本因坊君のうちの夕食は豪華だね。
　夕食を食べながら話してくれるお父さんの話は、たぶん大人になってもふと思い出すよ。何気ない話の中に、印象に残るものがときどきあるだろうね。
　八王子から甲府に行ったお父さんの話は楽しいね。いろいろ聞くと、もっとすごい話も教えてくれると思うよ。
　トンカツ屋さんの話は、字数のバランスから見て短くなってしまったけど、これはまたいつかの機会に書こう。
　結びの感想は、大きく書けた。このように「夕食とは……」と考えるところが高学年らしいところだね。