低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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「鬼はー内、福はー内」 ぼんちゃん
「鬼はー外。福はー内。」
そう叫んだ私の顔に開け放たれた玄関から入ってくる夜風が顔にあたり冷たい。
今日は2月3日の節分。我が家では,毎年この行事を行っている。北向きの部屋から順番に
「鬼はー外。福はー内。」
と叫びながら炒った大豆(市販のもの。)を撒いていく。妹の幼稚園は鬼子母神に近い為,今年は幼稚園から鬼子母神の福豆をもらってきた。中身を空けてみるとキャラメルやら,神様の小さな像が入っていた。
豆まきのときに妹は,まるで一人前に豆をまいている。
私の豆まきの体験の中で一番面白かったのは,幼稚園の年長のときのことだ。そのときは,幼稚園で紙袋を利用して鬼のお面を作り,その後,園庭で豆まきをした。私の思い出に残っている楽しかったというのは,鬼のお面作りだ。
今でもはっきりと覚えているのだが,私はなぜか紙袋の柄があるほうに折り紙を張ったりなどの装飾をしていた。母いわく,私は
「柄があるほうが派手でいいから。」
といっていたそうだ。
妹もまだ幼稚園の年中だが,幼稚園で鬼のお面を作ったようだ。
私は,豆まきの歴史について調べてみた。もともと,節分は宮中の年中行事であり,この節分の鬼を払う悪霊ばらい行事は平安時代頃から行われている「追儺」(ついな)から生まれたそうだ。
また,興味深い各地の節分祭の話もあった。群馬県の鬼恋節分祭では,
「福は内、鬼は内」
と叫ぶ鬼呼び豆まきと呼ばれる豆まきがある。また,埼玉県の鬼鎮神社では
「福は内、鬼は内、悪魔は外」と叫び,京都府の大原神社では
「鬼は内、福は外」と叫ぶのだそうだ。
「鬼は内、福は外」と叫んでは,その家の一年はどうなってしまうのだろうか?福が逃げていってしまったら,きっとその分他の家に福が行くのだろう。「福は内、鬼は内」と叫ぶのなら,寛大さがよいのだろうが...
撒く豆に関しても地方によって違うようだ。北海道では,落花生を撒くそうだ。
今回私がわかったことは,「福は内、鬼は内」のように豆まきにも寛大さが必要なのだということだ。しかし,私が一番不思議に思ったのは「福は内、鬼は内、悪魔は外」というものだ。「鬼」というのは災いなどを表すものである。「悪魔」というのもも同じようなことをさすと思うのだが,「鬼」と「悪魔」に違いはあるのだろうか?
さぁ,今年も豆まきが始まる。
「鬼はー外。福はー内。」
講評 kirara
今年は暖冬なので、節分の前にもう春が来てしまったような感じもしますね。
<<こうせい>>書き出しも結びも、完璧です。「夜風が顔にあたり冷たい」という表現がとてもいいし、むすびの「さあ、今年も豆まきが始まる」という文は、もう一度話題を「今」に引き寄せるためには欠かせませんね。
<<だいざい>>幼稚園でお面をつくったこと、そして「節分」について調べたこと。どちらも作文の中でいいアクセントになっています。地方によってすこしずつやり方が違うというのもおもしろいですね。ほんとうに、鬼が入って来ちゃったらどうしましょう・・・。けれど、鬼って、どこか憎めない雰囲気ももっていますよね。桃太郎にやっつけられるとすぐにあやまるところとか・・・。そこが、悪魔との違いなのかもしれませんよ。
<<ひょうげん>>「まるで〜のよう(みたい)」という形をしっかり入れた方が、意味が通じやすいでしょう。「まるで一人前の大人になったような気分で」という感じです。
<<しゅだい>>ぼんちゃんらしい視点で、「わかったこと」をまとめています。私も、来年は「鬼は〜うち」と言ってみようかな。
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