創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人の苦労を知る喜び   うっちー

 自分の周りには自分と同じような考え方を持つ人があまりいないように思える。しかし、本の中には自分と同類のような考え方によく出会うことが出来る。周囲の人とは表面上の付き合いしか出来ないように思えるが実際には周囲の人も同じように感じているのだ。誰もが自分の苦労は理解できても相手の苦しみを分かることは難しい。私の部活の中でも文化祭の実行委員会から展示内容のレポートを提出するように要求されていて後輩の出品内容を早く知りたくて詳細なレポートを求めたのになかなか提出してくれない。結局強要してレポートを作らせるのだが彼らも彼らなりに苦労していたようだ。自分達の頃よりも人数は多くて話はまとまりにくいのだろうし、人数が多い分大掛かりな出品が欲しいという先輩からの無言のプレッシャーが彼らを阻害していたのかもしれない。自分だけが特別で他の人よりも苦労しているなどという自己中心的な考え方はではなく、周りも苦労しているということに気づくべきだ。
 そのための第一の方法は、相手の話や愚痴を普段から聞いておくことだ。自分が相手を見る時はえてしてその気楽さが目に付きやすいが、本当に相手を理解しようとするならその苦労を知るべきなのだ。私の妹はバスケットボール部で、その活動時間や活動日数はの
所属する軟弱な物理科学部の比ではない。確かに部活の後帰宅する妹は疲れきっているし、運動系なだけに活動も厳しいのだろう。それでも自分が好きで選んだものなのだからそんなに辛いのかと思っていたのだが、先日バレーボールの授業の前に暇だったのでリングに向かってボールを放ってみた。すると全く入らないのだ。練習などした事がないのだから当たり前なのだが、こんなにも入らないのかと思い普段から熱心に活動する妹を少しだけ見直した。私は実際に体験することでその苦労を知ったが、普段から話や愚痴を聞いておけばそれも理解できたのかもしれない。
 また、第二の方法は自らの苦労を吐露することだ。若いころの織田信長には奇行癖があったとされて後見人だった平手政秀が度々諌めていた。しかし最終的には信長の奇行が度を過ぎていて政秀がどうしようもなくなってしまい切腹してしまった。信長はこれを申し訳なく思ったのか以後極力そういった行動をとることは無くなっていったという。政秀の言うことを普段は無視していた信長も命をかけて伝えられた彼の苦悩を知ってからは恐らく他人の苦労も理解できるようになったのだろう。
 確かに相手が何を考えているのかを見抜くことは難しいし、相手が辿ってきた人生の積み重ねであるその人の価値観を理解することは大変難しい。だがしかし、理解しなくてはいけないのは相手の価値観ではなく苦労の重さだ。苦労を知るものには余慶ありのように自分から相手の苦労を知って、周りの人をへのへのもへじではなく内面奥深くに秘めたることがあると思って付き合えばおのずから自分の周りの人がはっきりと見えて今よりもより良く充実した日々を過ごせるだろう。

   講評   nane

 今回の長文は、主題をつかみにくかったでしょう。人間は自分の側の問題を過大評価し、他人の側の問題を過小評価する傾向にある。しかし、その点を自覚すれば、自分を進歩させることができる、というような内容。
 妹のバスケットボールの話は、いい例(笑)。具体的だね。スポーツ系で理系というのは、うっちー君とはまた別のキャラクターだね。
 政秀の例も、説得力あり。昔の人は、根性があったんだね。
 相手を理解するというのは、自分がその立場にならないと、なかなか難しい。先輩の苦労は、荒廃のうちはわからない。しかし、そのへんを想像力と自覚である程度カバーできることが人間の優れた点だとも言えそう。
 よく考えて書いたね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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