国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本の美しさ   まるもち

本当の美しさ
欧米のリンゴは、どんなに形や、見た目が悪くても味が美味しければ、それでいいといったポリシーで今日にいたっている。一方、日本の場合、リンゴはぜいたく品として、「高級化」の道を歩いてきた。日本人は、“どれだけ美しいか”に気合をいれていて、味はどうでもよくなっている。カナダの人が、日本の紅葉まっさかりのりんご畑をみたら歓声しきりだ。だが、リンゴの栽培の仕方にも驚いた。リンゴ園の地面をビニール袋で覆い、人の手で、一つずつ、180度回して、太陽に当てたりするといったやりかたは、欧米には全くないやり方なのだ。そうすることによって、見た目は美しくなる。日本の場合は、「美味しさ」ではなく、「美しさ」を、日々研究しているのである。日本人は、極端に、美意識が強い。まわりのことを気遣うより、自分の心の中の“美”が、あるのかどうかを、見直さなければならない。
祖母と買い物に行ったときのこと。品物を買ってから、店の人が、「ちょっと待っていてください」といったので、フラフラしながら歩いていた。15分くらい待っただろうか。そこには、きれいな包装紙に包まれ、それからリボンにリボンをつけて、さらに紙袋に入って登場した服があった。どうしてそこまで輝かせる必要があるのだろうか。日本人は、妙に美意識が強い。つまり、輝いたものしか・・・ という人がいる、ということ。 話を元に戻そう。その服は、ただ、箱に入っていて、紙袋に入れられているだけで、充分だった。だがそれでは、見かけが悪いといって買わない人がいるから、派手になっているのだと思う。かといって、その、派手でなくてはいやな日本人が悪いわけでもなければ、そこの店の人が悪いわけでもない。ただ、日本全体の社会が、「美」一筋になってしまったのは、見直す必要がある。 
日本人は、中身よりも見た目、と思っている人が多いのではないだろうか。そのなかのひとりに私も入ってしまう。服とかをかってもらうと、いつもいわれるのが
「外だけじゃなくて、中身もみがかんと。」
という言葉。小さい頃は、意味が分からずに腹がたっていたが、今思えば、当たり前のことだなーと感じる。中身が美しくなくて、外だけが美しいというのはありえないと思う。だから、兄のおさがりの服を着て、袖をまくり、部屋の片付けをすると、父も母も喜ぶ。そんな問題なのか分からないが。だが、はっきりいえるのは、中身をみがいて、外側がはじめてキラキラと輝き始めるということ。外側だけきれいでも、何の役にも立たないのだ、と思う。 とは言ったものの、やはり、外見は大切だと思う。人間は第一印象が決め手になるからだ。はじめて会ったときの印象が悪いと、それからずっと先も悪い印象のままだからだ。それに、キラキラとした派手な服を切る必要はないが、Tシャツに半ズボンの格好で面接に行ったらどうなるだろう。どれだけ中身が良くても、その格好を見た瞬間、審査員は、×をつけるだろう。
 人は外見だけでは判断できない。キラキラと輝くドレスを身にまとっているが、中身はボロボロの心の持ち主。それに比べて、ボロボロの服を着て、キラキラと輝く心を持った人。どちらがいいのだろうか。しかし、日本人はきっと、きれいな衣服で身をまとった方を選ぶだろう。日本人は、「美」一筋だからである。 あの、きれいにラッピングされた服。未来の日本人は、それをみてどう思うだろうか。“ほしい!”それとも、“これは、やりすぎではないのか”  さあ、どちらだろうか。

   講評   kira

 まるもちちゃん、こんにちは。見事に長文の主旨を読み取って、自ら主体的に問いかけていくことができましたね。ふだんから、この問題については、まるもちちゃんの内側に意識されているんだね。
 日本は華道、茶道、舞踊、心と共に居住まいの美しさを追求する精神があるように思います。もともとは、心と技の美しさであったものが、今では見た目だけ、形式だけ伝授されることが多くなったのでしょうね。そこが問題。日本の経済的な豊かさも手伝って、どんどんキラキラギンギラ、豪華になってきました。ゴージャスって言えばいいのかな。
 まるもちちゃんは、そういった風潮に一石を投じたいのですね。服を買ってもらうと確かにうれしいよね。新しい服を着ると、気持ちもはずんで、やる気も出ます。しかし、中身も磨いていなければと思うのですね。
 「ボロは着てても心の錦♪」なんて、演歌があったのですが、知らないかな。内側から輝きあふれるような人間的な魅力を身に付けたいものですね。最後は、問いかけを重ねて終えましたが、自分なりの結論を示しておくのもいいね。
 心を持って、主義主張をもって美を追求すれば、それは決して無駄に上辺をとりつくろうものにはならない気がします。ほんものの美しさを考えていきたいね。


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