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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   社会予備軍   れもん

 子供を必要以上に過保護に扱う現代社会は、子供が自らの目で物事の本質を捉える能力を衰退させた。「個人の尊厳」という言葉の下に、社会の細分化された個ではなく、隔離された個の集合体としての社会を築き上げていった。その結果、子供の「野心」や「探究心」といった本能を退化させ、与えられた物事にしか取り組まない受動的な子供を増加させた。子供が目の当たりにする社会は、テレビというフィルターのかかった現実か、学校から与えられる角ばった情報だけである。しかし本来、アイデンティティとは、社会の中で自分の役割を全うすることによって得られるものだ。私は、自ら自分のアイディンティティを得ようとする野心を持って生きたい。(生き方)
 そのためには、まず実際の社会を体験することだ。私も去年の夏休みに、老人ホームのボランティア活動をした。三日間の体験だったが、普段自分が、如何に与えられた物事だけに執着し、頭でっかちの人間になっていたかを思い知らされた。どんなに博識があっても、それを使いこなす積極性や行動力がなくては、役に立たない。毎日、七時間与えられる授業を受けるより、見よう見まねで働くほうが、よっぽど学ぶことが多かった。「学校」という隔離された空間だけではなく、活動している社会に積極的に触れる機会を多く持つべきだと思う。また、学校で学ぶにしても、目的や信念を持つことが重要だ。(複数の方法Ⅰ)
 次に、社会も若者をいつまでも子供扱いせずに、重要な役割に就けていくことだ。エジソンは、子供の頃から列車の中で新聞を作って売る仕事をするなど、自立心が旺盛だった。それも、そういう自立を促す社会の雰囲気が存在したからだろう。現代は、日常生活の中にまでロボットが侵食している。自動販売機や必要以上に過保護な親など、子供の自立を阻む障害物が多い。気楽で便利だからと、自動販売機を好む若者も増えている。他人と些細なことでも、関わりを持つことが、自立への第一歩だ。子供の自立へのチャンスを、大人が奪ってはいけない。(複数の方法Ⅱ)(伝記実例)
 確かに、世の中が複雑になると、子供の時期が長くなるという傾向はある。しかし、人はその制服のとおりの人間になる。「かわいい子には旅をさせよ」という言葉もあるが、お金をかけて机上で大事に学ばせるより、実際に社会を味わったほうが、何倍も成長するものだ。どんなに一生懸命に英語を暗記したって、コミュニケーション能力がなくては、外国人と話せない。若者を、永遠の社会予備軍とさせないために、子供の野心を奪いかねない社会の仕組みを改善すべきだ。私も、意図的なフィルターの無い目で物事を捉え、野心を持ってアイデンティティを探して生きたい。(反対意見)(名言)(生き方)
             

   講評   nane

 冒頭の説明は、かなり密度濃いね。でも、ここは、もう少しやわらかく書いてもいいよ。
 要約という形でなく、状況実例ということで自分の体験などを盛り込みながら書いていくと面白くなる。
 老人ホームでの体験はいい実例。ここは、説明的に書くことに加えて、小さなエピソードも入れていくといいかも。
 第三段落のエジソンの実例もよく書けた。ここは自分の個性を生かして、野球選手の伝記などで書いてもいいよ。
 「かわいい子には旅を」は、そのままの引用なので、もうひとつ加工をしてみよう。例えば「旅をするのは、かわいくない子にとっても必要なのだ」など(笑)。
 「若者を、永遠の社会予備軍とさせないために」はいい表現。これを題名に生かしたところも、いいセンスだね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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