国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   協調性   シュシュ

 多数決の際に、少数の意見の方に手を挙げることがなんとなく恥ずかしい感覚を伴うことがあるが、これは日本人特有のことである。しかし、このように個人よりも他人との協調が重んじられる傾向があることは現代の社会の問題だ。
 考えられる第一の原因に、昔から日本には唯一絶対神を信じる習慣がないことが挙げられる。米国ではキリスト教の神が唯一の神様であり、裁判の始めにも聖書に手をおいて真実を述べることを神に誓うなど、神の存在が人々の生活や意識の中に染み込んでいる。「Oh,my God!」や「Bless you.」など神に関係した言葉も多い。一方日本では、神様よりも周りの人間、「世間」と呼ばれるものが社会で大きく成長してきた。農耕による集団生活をしなければ、昔の人が生きることは困難だったからだろう。「世間体が悪い」、「世間様に顔向けできない」などの言葉がたくさん生まれたことからもそれはわかる。世間から孤立することは、多くの一般の日本人にとって絶望的なことなのだと思う。特に昔の村には、「村八分」という刑があったが、これはほとんど死を意味した。最近の日本では、いじめによる自殺が大きな社会問題になっている。周囲から孤立することの恐ろしさからひきおこされるものだろう。欧米でいじめが問題になることはあまりきかないが、これも社会の質の違いから起こる差ではないだろうか。自分の意思を貫いて他人との関係が希薄になっても、いつでも神が味方でいるという意識が欧米人にはあるのだと思う。
 第二の原因は、現在の日本の社会が「持ちつ持たれつ」の関係で成り立っているという点にある。カクレクマノミという魚は、イソギンチャクに住むことで、敵から身を守っている。一方イソギンチャクは、カクレクマノミが集めてきたえさの一部を食べることができる。(自然科学実例)このような共生は、特定の者の間ではうまくいくが、そこへ新しいものが介入すると問題が起こることが多い。昨年、堀江貴文前社長率いるライブドアが、法には触れないけれど、日本の株式市場では行われることがあまりなかった時間外取引をして騒ぎを引き起こした。昔からある会社の間にある暗黙の了解を、ライブドアがいとも簡単に壊すことができたのは、ライブドアが新しい会社だったからである。日本にはこのような暗黙の了解が多く存在するが、国際的な場面では通用しないため、これらに頼りすぎることも問題である。
 確かに、協調性を持つことはより良い社会を作るのに欠かせない。しかし、個人よりも集団の方が重視される日本社会の傾向は問題である。北朝鮮に関する報道でよく見るマスゲームは、全体を見る人は楽しいけれど、参加している人は自分のすること自体は単純で、全く面白くないものだ。私たち日本人の中には、このようなニュースを見て、北朝鮮に対する悪いイメージを大きくする人が多いだろう。しかし日本の社会にも、目には見えないマスゲーム式の体制がひそんでいるのではないだろうか。今社会に必要な協調性とは、他人に何でもあわせることではなく、社会のルールを個人が守ることである。

   講評   nane


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