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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   気の向くままに・・・   いうや

 どこかへ旅をしたくなるとき、案内書きを探し出して読んでみると、おおよその見当はついて来るが、いくら詳細な案内記を読んでみても、結局本当のところは自分で行って見なければわかるはずもない。いろいろな人に聞いてみても、意見は人それぞれで、誰のオーソリティを信じていいかわからない。さんざん調べた最後にはいい加減に、賽でも投げるのと同じような偶然な奇縁によって目的の地を決めるほかはない。案内記などになどによる予備知識が在ると、名所を見逃すなどの危険は少ないが、案内記や話した人の話しが頭の中に巣をくっていてそれが自分の目を隠し、耳を覆う。そして予想と同じで、決まった旅になってしまう。自由気ままなたびは危険が伴うが、いかなる案内記にも書いていない、自分が触れ合ったときの感覚があるものを掘り出すことができる。たまには目的地に関する情報収集をしない、自由気ままな旅をするべきだ。
 そのための方法は第一に、始めからリスクをわきまえておくことだ。リスクを始めから予想しておくと、突然の災害にも、しっかりと対処できるからだ。予期していないことが突然発生すると、うろたえてしまうことが多いが、身構えていると反応しやすい。また、発明などもリスクをわきまえて、それでいて実験して、成功しているのである。エジソンなどの発明なども、リスクに対して、恐れおののいていてはありえなかったであろう。また「失敗は成功の母である」という有名な言葉も、リスクがあって、それでいて失敗しても、それが偉大な発明へと導かれることを言っている。
 そのための方法は第二に、リスク=(イコール)悪いという先入観を持たないことだ。実際リスクというものは必ずしもマイナスの側面だけではない。自分も同じことを身をもって学んだ。高校の修学旅行で、最終日に河童橋を観光した。班でつり橋のようなものを利用して川の上流へと上り、集合場所へ戻るときに、川岸を下って行こうということになった。しかし途中で行き止まりとなり、裸足になって浅瀬を渡り、草の生い茂った山の中を掻き分けて、丸太の橋を渡って、何とか元のルートに戻ることができた。その時は必死で、少なからず焦ってかなりの冷や汗を書いたが、今では最も印象深い、良い思い出である。
 確かに、後先を考えずに勢いに任せて突っ走ると、前方の落とし穴を予知できことがある。しかし、先の見える未来ほど、つまらないものはない。経験とは、予め決められた一本道ではなく、自分の足で見出した迷路の中の宝である。案内書きを読んでから行く旅行ばかりしていていては、驚きや発見に出会うことは少ない。突然飛び出して気の向いたほうへ進む旅をすると、多くのことに気付き、自分自身が活性化される。たまには予備知識無しの、自由な旅もするべきなのだ。紙に書かれた案内書きではなく、頭の中に浮かぶ自分独自のオリジナルな案内書きをつくろう。

   講評   huzi

 【自作名言】がいいですね。経験は決められた一本道を行くのではなく、自分の足で見出した迷路の中の宝である。宝を見つけるまえでの不安、見つけてからの驚きが、人生を彩り豊かなものにするのでしょう。
  すべての項目が◎。組み立てはパーフェクトです。さすが。
  その上で、ちょっとチェックしておきたいポイントを見てみると……
 【方法】の1、発明などもリスクをわきまえて、それで実験して、成功しているとありますが、根拠は? エジソンの【伝記実例】をあてはめた部分も同じ。実際の発明者がリスクをどのように扱ったのか具体的に説明できれば、説得力が増すでしょう。
 【方法】の2、旅行でのリスク体験のマイナス面とプラス面をさらに掘り下げてみてもよかったかな。

 結びは充実しています。全体を通した考え方はすぐれていますので、例の出し方を今後、工夫してみよう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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