国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   魚卵   クラネ

 日本人は諸外国に比べ、モノに対して外観へのこだわりを非常に強くもっているが、しばしばそれが度を越して、本来の目的である味よりも外観を重視し過ぎてしまう傾向があるので、日本人の美意識を見直す必要がある。
 私は明太子が好きだ。たらこが好きだ。筋子も好きだ。三食でたって良いくらいだ。
 先日明太子を、いつか痛風になるのではないかと思いながら食べていたとき、ふと私はそのパックのラベルを見た。するとそこには発色剤として、「亜硝酸ナトリウム」という見るからに危なそうな物体が書かれていた。いつも口に入れているものなので、気になって調べてみた。
 結果を見たとき、私は驚愕した。予想は当たった。「亜硝酸ナトリウム」は肉などに使われると鮮やかな赤色になり、新鮮で味もよさそうに見えるが、特にそれが魚卵系に使われるとかなり強い発ガン性物質に変化し、その毒性は青酸カリに匹敵するということだった。外国ではこんなに危険なものの使用を認可している日本の神経が理解できないようだ。
 日本にはもともと「わび」「さび」という、質素の中に美しさを見出すという他の外国には無い感性があった。しかし近年はその考え方が薄れてきているではないだろうか。
 現代の社会は外国の文化が流れ込みすぎているように思える。それは言葉や服装、食事などに現れている。お年寄りには全く理解できないようなカタカナ語や肉類中心の食生活などである。
 これらの派手な考え方によって、「わび」「さび」の考え方が薄められてしまったに違いない。これを表すように、「わび」「さび」の意味を外国人に問われた時に全く答えられないということがあるようだ。
 日本人は自分達の文化をもう一度見直すべきだ。それは派手にするために、食品に毒を加えるような壊れた美意識の修正してくれることだろう。日本人にとってモノとは、決して壊れている美意識を露呈するためのものではなく、日本人の勤勉で謙虚で、質素な美しさを求める事の象徴であったはずだ。そしてその姿勢こそが日本人の本当の美しさなのである。

   講評   nane

 時間がなかったけど、いい展開で進めたね。
 体験実例が生きている。亜硝酸ナトリウムの話に結び付けたのはさすが。
 このあと、社会的な実例を書いて、結びは、日本人論のような形でまとめてみよう。

 続き
 「日本人の美意識を見直す」という主題が抽象的なので展開しにくいところがあったでしょう。
 「味よりも外見を重視する」という長文の主題と、微妙に違う面もあるので、書きにくかったかもしれない。特に、「わび」「さび」という話も出してくると、主題が広くなりすぎたかも。
 しかし、最後に、書き出しの美意識に戻ってまとめたところは、さすがに考える力があるね。
 体験実例と社会実例のバランスの取れた文章。
 結びの「日本人にとってモノとは……」はよく考えているが、自作名言とするためには、もうひとつ逆説的に書いていくといい。
 慣れてきたら、1200字を目標にがんばろう。そうすると、点数がかなり上がるはずだから。

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