国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間の特性   いうや

 近年、子供たちの身体の異変は、一層顕著である。他者へ無関心なのだ。他者への気配りがないわけではないが、すれ違っている。他社への無関心は、大人に対しては根本的な不審の感情となって現れている。大人と目と目を合わせて話をする子供が少なくなった。教師のほうも同様に、子供がまなざしを背けるものだから、微妙にまなざしを背けながら話しかけている。そういう繋がりの中では「出会い」も「対話」も生まれようがない。子供はモノとの出会いの経験も著しく貧困である。自然と連なるものの世界はますます子供の世界から消滅しつつある。その端的な現れが道具の使用の経験の未熟さに見られる。言葉という道具においても同様だ。「文字離れ」は決定的であり、自己と世界を構成するリテラシーの文化は急速に衰退しつつある。もっと、人と関わるべきだ。
 そのための方法は第一に、家庭内の会話をもっとするべきだ。家族との会話がその子の人間性の発達に欠かせないからだ。家庭での会話はいわば学校での会話つまりコミュニケーションの、練習である。最近家族間での会話減少してきている。男女平等により、女性も男性と同じように働くようになり、母親が仕事を持っていることが多くなっている。仕事をすれば、それだけ家事への負担も増し、食事を作る時間がなく、子供は買ってきてあるものを勝手に食べておくことも少なからずあるだろう。父親の帰りも遅い。そうすると否応無しに家族そろっての食事は失われ、必然的に家庭での会話は減少する。子供が自分の部屋に閉じこもっていようとも、食事の時間は会話のチャンスであるのだが話す機会は少なくなり、この頃あんまり話していないから、話しにくいという悪循環に陥ってしまうのだ。勿論食事の時間に限らず、何かで会話の時間をとっても良い。会話の時間を設けるべきだ。
 そのための方法は第二に、ゆとりある社会を築いていくべきだ。例えば都心部でのビルの建ち放題を一部我慢して、公園を作ると、家族で公園に足を運ぶ人が増え、家族間の会話は増え、また他の家族とのスキンシップも取れるであろう。どうしても、「お金儲け」を考えて、ビルを建設してしまうが、社会の状況を捉えて、社会問題の解決に目を向けるべきであろう。歴史的に見ても、アメリカなどではニューヨークのど真ん中に巨大な公園、セントラルパークがある。その敷地内にいったいどれだけのビルができるだろうか。アメリカの考えには日本では薄れてきた「金より思い出」という精神があるのだろう。
 確かに、情報社会の今日、人やモノと関わらなくとも生活していけるかもしれない。しかし、人間はひとりでは生きていけないのである。他者と関わって、モノと触れ合って、初めて人間として成長し、充実した人生が送れるのである。人間とは、情報を操るテクニシャンではなく、人間と化学反応を起こすマジシャンだ。人と触れ合って始めて人間らしく機能するのだ。だから、もっと人と関わるべきなのである。子供の身体の変化は顕著である。

   講評   huzi

 お話したように、子どもの問題を考えるときは、子どもの周辺だけを取り上げるのではなく、家庭、そして社会へと目を向けたとらえかたをすると、考えを広げやすいです。その点を汲み、意見の中に取り入れられたね。例を積極的に用いた、具体性のある【方法】の示し方もこれでいいですよ。
  家庭内の状況をよく観察して描写できていますね。女性の社会進出はいいことですが、労働により家族に犠牲を生むような働きかたになっているとしたら、問題です。生活と仕事のバランスを家族の協力で取りもどさねばなりません。
 しかし、家族だけではこの問題は解決しないね。そこで、社会のあり方が問われることになります。これは、現に広く論じられていることなのでこの意見文上で考え始めるときりがなく、まとめられなくなってしまう(笑)。
 そこに、【方法】の2に、生活環境を考える視点を持ち出したのが、うまいね。どのように生活したいかは、意外に周囲の環境に左右されると私も思います。公園や緑地で散歩や読書を楽しむのが当たり前の環境なら、目を吊り上げて仕事や勉強ばかりする生活を見直すでしょう。アメリカにも「金」を第一と考える人は少なくないようですが(笑)、心に余裕を生む街づくりには、見習うべき点もあるね。
  【自作名言】、今回もいいセンスをしているなあ。人間同士が化学反応を起こし、見たこともない成果が生まれるのでしょうね。
 ところで、最後の一文はこのままでいいかな? 表現を改めてみよう。 テストはクリア。おめでとう!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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