国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   初めてできたこと   えとわ

「速く回して、少し高くジャンプをするのよ。」
と母からアドバイスをもらって、家の庭で、私は、二重跳びの練習をしていました。1年生だった私は、縄跳びの名人になりたくて、粉骨砕身のごとく、一生懸命練習していたのを覚えています。母は、5分くらい、私の練習に付き合ってくれましたが、家事をするからと言って家の中に入って行ってしまいました。今思えば、冬だったので、寒さに弱い母はその寒さに耐えられなかったのかもしれません。私は、しばらく練習をしていました。母が、
「長い時間練習して、疲れてしまうからやめなさい。二重跳びは、難しいからすぐはできないよ。また、明日、がんばればいいよ。」
とあきらめさせる言い方をしました。そう言われても私は、やり続けました。負けず嫌いなのかもしれません。まるで、納豆のような粘り強さです。2回跳べるようになったので、
「お母さん、見て、2回できるようになったんだ。」
と息をはずませながら母を呼びました。母は、
「え。本当。よくがんばったね。」
と、布巾を持ちながら庭に出てきました。私は、力をこめて縄を回しました。母が、1回、2回と数えてくれました。なんと、9回、10回まで跳べてしまいました。10回跳べれば、合格だったのです。
 あれから3年、『はやぶさ』の練習をしていました。『はやぶさ』というのは、あやとびを1回で跳ぶものです。初めは、どうやって跳ぶのか、理屈が分かりませんでした。母は、二重とびの手本を見せてくれたものの、『はやぶさ』はできないので見せてもらえません。手本になる人がいないので、練習もあきらめていました。すると、はやぶさを3回できる友達がいたので、その子の跳び方をじっと見ていました。なんとなく、理屈が分かってきました。私は、友達に、
「どうやったら跳べる。」
と聞くと、
「まず、二重跳びをするように手首のスナップをきかせて、前交差をするとできるよ。」
と教えてくれました。早速やってみると、1回できてもしゃがんでしまい、2回目につながりませんでした。1年生のときのがんばりがまた、私の体に湧き出てきました。すると、18回も跳べるようになっていました。教えてくれた友達を抜かしてしまいました。3年前の二重跳びより早くできたと思いました。
 母は、
「やはり、基礎があったからこそ跳べるようになったんだよ。努力の積み重ねだね。」
と言いました。初めてできたときのうれしさは、忘れられません。これこそ、努力の結晶だと思いました。
 校庭で、私は、うしろ二重跳びを練習しています。

   講評   sugi

 えとわさんが、人一倍がんばり屋さんだということは、先生もよく知っているよ。なわとびの二重とびは、誰にとっても一つの大きな壁のようなもの。一年生のときに、この壁にぶつかったえとわさんは、お母さんが「そろそろやめなさい。」と言うのも聞かず、できるまで練習し続けたのだね。「納豆のような粘り強さ」という表現がいいなあ。「また明日」と言われたときの気持ちを、今でも思い出せるかな? そのときの悔しさも、作文の中に書き入れておくとよさそうだね。
 二重とびができるようになったときのことを、「前の話」として入れたので、今回の「はやぶさとび」のがんばりも、読み手に想像できるようになっているね。まずは、友達の跳びかたを、よく観察する。これは大事なことだね。「じっと見ていました」という言葉から、えとわさんの真剣な表情が思い浮かぶよ。このときは、二回連続して跳ぶというのが、一つの壁だったようだね。二回目につながらないときの悔しさも、また文に表現してみよう。
 今は、さらに難しい「うしろ二重跳び」に挑戦しているのだね。これができるようになったら、ぜひ先生に教えてね!
 進級テストはもちろん合格! おめでとう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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