国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   患者はキリスト教徒の自然な姿   ドラゴン

たしかブレーズ・パスカルだったと思いますが、大体次のようなことを申しました。「病患は、キリスト教徒の自然の状態である」と。つまり、いつまでも自分のどこかが具合が悪い、どこかが痛むこと、言いかえれば、中途半端で割り切れない存在である人間が、己の有限性を染々と感じ、「原罪」の意識に悩んで、常に心に痛みを感じているのが、キリスト教徒の自然の姿だと申すわけなのでしょう。まあ、そういうふうに解釈させてもらいます。これは何もキリスト教徒に限らず人間として自覚を持った人間、すなわち、人間はとかく「天使になろうとして豚になる」存在であり、しかも、さぼてんでもなく亀の子どもでもない存在であり、更にまた、うっかりしていると、ライオンや蛇や狸や狐に似た行動をする存在であることを自覚した人間の、憤然とした、沈痛な述懐にもなるかもしれません。恐らく「狂気」とは、今述べたような自覚を持たない人間、あるいはこの自覚を忘れた人間の精神状態のことかもしれません。あえてロンブローゾを待つまでもなく、ノーマルな人間とアブノーマルな人間との差別はむずかしいものです。気違いと気違いでない人間との境ははっきり判らぬものらしいのです。うっかりしていると本物になるのだと、自分に言い聞かせていないと、えらい「狂気」にとりつかれます。しかし、人間というものは「狂気」なしには居られぬものでもあるらしいのです。我々の心のなか、体のなかにある様々な傾向のものが、常にうようよ動いていて、我々が何か行動を起す場合には、そのうようよ動いているものが、あたかも磁気にかかった鉄粉のように一定の方向を向きます。そして、その方向へ進むのに一番適した傾向を持ったものが、むくむくと頭をもたげて、まとまった大きな力のものになるのです。そのまま進み続けますと、だんだんと人間は興奮してゆき、ついには、精神も肉体もある歪み方を示すようになります。その時「狂気」が現れてくるのです。容易に陥りやすい「狂気」を避けねばなりませんし、他人を「狂気」に導くようなことも避けねばなりませぬ。人間は狂気が必要だ。
 その第一の理由として狂気と呼ばれる集中力がなければ何かを成し遂げることは、出来ないからだ。僕もその狂気という集中力によってテスト勉強を終わらせたことがある。
 第二の理由として平凡な毎日では退屈してしまうからだ。10代男性と10代女性のストレス解消法を比べると、一位は両方ともカラオケで二位は男性がテレビゲームで女性が食べること、三位は、男性がビデオ鑑賞で女性が長電話という答えである。これは退屈な日常生活でたまったストレスを、退屈でないことですごしているのである。ちなみに僕のストレスの解消方は、ゲームである。
 確かに冷静に物事を判断するのは大切なことである。しかし、『行動するためには、多くのことに無知でなければいけない』という名言もあるように、何かを成し遂げるためには狂気も必要だと思う。

   講評   kira

 ドラゴンくん、こんにちは。ちょっと要約にとらわれすぎた感もありますが、きちんと項目要件、内容も整えて書けました。
 「狂気」というとよからぬイメージがありますが、筆者の言うような「常ならぬ状態」「集中した精神状態」というものは、突破口を開いて、私たちの成長を導いてくれます。
 テスト勉強の凄まじさについては、中高校生ならば、言わずもがなの世界ですよね。ついでに、部屋の中まで凄まじく荒れ放題になったりして・・・。
 人間は平和や安定にまで慣れて飽きてしまうという贅沢者らしいですから、その倦怠感から逃れる為にも、いつもと違った狂気の状態は必要になります。ドラゴンくんは、ゲームでそれを行っているんだね。
 冷静にマイペースでコツコツと進んでいくことは、お手本ではあります。しかし、それだけの生き方になると、まるでロボットのようです。その人らしい能力を発揮するには、ある種の狂気も必要になってきますね。


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