創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人的   タラちゃん

 日本人が淡泊であるかわりに持続力に欠けていると言われるのも、生活態度に左右されているところが少ないからであろう。道筋を飛ばして結論を出す。結論は相手の想像に委ねて、さりげない話でお茶をにごす。そんな淡泊好みの通人たちが考えだした詩形が和歌であり俳句である。また、ことに日本の言葉が花と開いた平安朝の文学は実質的に女流文学であった。和歌が仮名言葉中心であるのに、俳句では漢語の比重が大きいなどといった和歌と俳句の相違はありながらも、実によく似ているのは、言葉のいわゆる論理に背を向けていることである。感覚的に全体を直感で把握する。ところで、理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方はよいと思う。
第一の理由として、相手の言いたいことを読み取ろうとすることで思いやりの心が育つからだ。このようなことは学校でよくあることである。例えば部活動である場合。これはついこのあいだあった話だが、ある時、同じ部の仲の良い友だちと部活のこと(合宿や倉庫のこと)についてわからないことがあった。そこで、同じ部のキャプテンに聞きにいった。とその時キャプテンを見つけたのだが、どうやら先生にいろいろ言われたらしく、とても見るからに暗そうにしていた。ここは相手はあまり気持ちが良くないしまた後で聞きにいこうと思い、「ちょっと、教室に戻ろう」とお互いキャプテンを気遣った。このときに、一言普通に聞けば意味が曖昧な一言を、場合と状況によって使うことで意味が伝わるのだ。いわゆる以心伝心ではないのか。
 第二の理由として、短い言葉から想像を広げることで感受性が豊かになるからだ。このようなデータがある。「企業の宣伝費 第1位トヨタ自動車 70918百万円 第2位花王 49237百万円 第3位日産自動車 46703百万円・・・」例えば、コマーシャルには常にいろいろなパターンがある。全て同じようなものじゃ印象には残らない。特に言葉が短く印象に残りやすいものもいくらかある。ここでいう短い言葉というのはどういうものかというと、例えば宣伝したい内容を誰が見てもわかりやすいように短くできている言葉である。なので、短い言葉の中にはいろいろと意味が込められているので、いろいろと想像ができるのである。
 確かに、説明つまり理屈を考えてコミュニケーションを取ろうとするのもいいと思う。先程、以心伝心の話を少ししたが、実際うまくいかないことだってよくあるのだ。つまり、すれ違ってしまうと、友だちとの間に深い溝ができてしまう。しかし、いちいち理屈を考えて物事をいっていると、めんどくさいと思われ嫌われる。つまり、日本人らしいコミュニケーションから少し離れてしまっているのである。よって、以心伝心のようなコミュニケーションを取ることは良いと思う。「最も早い朗読の秘訣は、不要なものは、読まないということである」素早く、短い言葉を使って以心伝心のようなコミュニケーションを取る秘訣(というより方法)は、無駄に長く理屈を話さないこと。それが「日本人的」である。

   講評   hira

 「以心伝心」と自分で考えたキーワードを中心にまとめることが出来ました。論旨が伝わりやすく且つ印象的です。
■第一段落
 要約も慣れないうちは、全体とのバランスが取りにくいのですが、違和感なく自然な流れで書けているところが上手い。
■第二段落 
 よい題材を思いだして書けました。野球部に限らず、人の気持ちを学ぶ場はあるのだろうけれど、「もっと強くなる」「優勝する」など目的がある場所だからこそ、よりお互いを気遣い切磋琢磨していけるのだろうね。最後の二文が少しわかりにくいので言葉を補おう。
■第三段落 
 データを先ず持ってくるというやり方はインパクトがある。たぶん、いい広告例が浮かばないから(笑)この構成にしたのだろうけれど、考えて上手くまとめる方向を見つけたのがさすが。通学途中にでも何かピンと来るコマーシャル実例を見つけられたら入れてみるといい。
■第四段落
 大事なところに絞って多くを語らないのが日本の美学なのだろうね。いつも厚みのあるまとめで感心します。


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