創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ヒトとイエバエの対比を読んで   えとわ

 寿命はヒトを、平均65年とすれば、イエバエはわずか2週間です。死んだ子どもは卵であれ幼虫であれ、必ずほかの動物か植物の役に立っています。ハエのすばらしさはスピードの調節のみごとさです。
 私がこの話を読んで興味をもったことが2つあります。1つ目は、ハエの運動性です。相当な速さで飛んできたハエは、そのまま速さを変えずに、ぴたりと壁にとまります。私は、今まで、ハエは見たことがありますが、ハエにそんな運動性があったとは考えもしませんでした。夏に、給食の食べ物によってくるハエに困ったことがあります。手でうちわのように扇いでも、また、やってくるハエ。私が、
「ハエは、はえーなあ。」
と逃げ足の速さに感心していると、父が、
「はえ、はえ。その通りです。」
と返答をしてきました。ちょっと苦しいだじゃれでした。この話を読んで、これ(逃げ足の速さ)が、助走も加速もせず、自由に飛び出すことができることなんだと思いました。このすばしっこいハエを、手で捕まえることのできるヒトがいます。母の母、祖母です。祖母は、ハエが止まると、そっうとハエの飛んできそうなところに両手を持っていき、飛んできたところをパシンと手打ちをしてしまいます。祖母の技はすごいと思うけれど、私は、つぶれたハエが気持ち悪くてたまりません。
 2つ目の興味は、ハエは、200〜300の卵を産むけれど、死んでしまう子どもが多く、この死んだ子どもは役に立っているということです。死んだからといっても役に立たないわけではないのです。えさとなっているのです。自然界のしくみもそうだと思います。弱肉強食ということも知っています。たくさん産んでも、生き残れるのは、わずかという動物や植物なのです。ヒトは、そうではありません。ヒトは、何かの役に立っているのでしょうか。3年生の教科書にあった「わすれられないおくりもの」を思い出しました。アナグマさんは、死んだあとに、みんなに、はさみの使い方、ネクタイの縛り方、料理の仕方などいろいろなことを残していってくれました。これが、役に立つという意味だと思いました。私の話を聞いていた母が、
「私は、社会に役に立つようなことしてきているかしら。そう考えると、自分の欲で生きているような気がするわ。家族のために、役には立っているかもしれないけれど、社会のためには役にたっていないわね。お母さんも、考えて生きていかなくちゃいけないみたい。」
としみじみと話してくれました。
 私は、ノーベルさんのような功績は、残せないかもしれませんが、今は、一生懸命に勉強したり運動したりして、死んだあとに贈り物ができるように考えて、生きていきたいと思いました。

   講評   sugi

 今学期の長文は、ちょっと変わった虫の話ばかりだったけれど、ふだん注目しないような虫の世界にも、おもしろいことがたくさんあったでしょうね。ハエやカ、ゴキブリのような一般に嫌われる虫からも、人間は教えられることがあるのだね。
 この話を読んで、興味を持ったことを二つ挙げ、そこからいろいろと考えることができました。最初にハエの身体能力の話をして、次にハエの生き方の話をするという感想文の組み立てがうまい。ハエの運動性については、ダジャレを交えながら楽しく書いていき、生き方については人間の生き方と重ね合わせて考えてみる。この二つの話のバランスと、より重いテーマを後半に持ってきて、読み手に深く考えさせる余韻を残したのは、えとわさんの力量だね。
 人は何のために生きるのか、これは私たちにとって永遠のテーマとも言えるでしょう。えとわさんのように「死んだあとに贈り物ができるように」と考えるのも、一つの立派な答えだと思うよ。そういう生き方ができれば、その人自身も「幸せな一生だった」と思えるのだろうね。

 そっうと → そうっと、そっと

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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