国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   本当の価値   意気陽陽

 今日では山の木が建築物に変わるまでの間には、次元の異なる二つの過程が重なりあっているのである。それは、木自体がもっている価値を生かすか、商品としての木の価値を優先するかである。たとえば、製材工場を訪ねても、スギやヒノキなどの国産材をひく工場と、輸入材をひく工場とでは、雰囲気がずいぶん違う。国産材は、ノコギリの刃のあて方で木目の出方も変わり、木の価値も商品価値も変わってくるので、職人の経験やカン、コツが工場を支えている。ところが、輸入材は木目も一定のものが多いので、部品をつくる自動化工場のようである。最近ではコンピュータ製材が関心を高めているけれど、それも輸入材専門工場での話にすぎない。国産材の工場はいまも職人の世界である。
 僕は、物の価値をお金よりも優先することは、良いことだと思う。その理由は二つある。
 一つ目の理由は、お金には替えられないものがとても多くあるからだ。今、僕が学校で使っている教科書に、こんな詩があった。
「僕は訊ねる
  ロバとピアノはどっちが高い?
 おじさんは答える
  ピアノだよ
 (中略)
 じゃあ、愛と春は
  どっちが高い?
 愛だろう
 めったに売りには出ないけど
 
 そこで僕は最後に訊ねる
 僕の一番知りたい質問
 愛となみだは
 どっちが高い?」
教科書の中で、僕が一番楽しみな単元だ。この詩でおじさんは全てにものに値段をつけているけれど、お金には替えることの出来ないものばかりだ。
 二つ目の理由は、全てのものに値段をつけて価値を決めると、その物の本当の価値がなくなってしまうからだ。僕は今、ギザのついた十円玉を集めている。ギザ十は売ってもあまり価値がなく、たった十一円にしかならない。しかし僕にとっては、百円以上の価値があるのだ。
 確かにお金でその物の価値を決めると、物と物とを比べる時にとても分かりやすいかもしれない。しかし「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである。」と言う名言があるように、お金で価値を決められてしまっていても、本当の価値はとても高いものが、あるはずだ。人間はその、本当の価値を見極めていく力をつけていかなければいけないと思う。

   講評   sugi

 お金に換算できないものの価値について、意見、理由をしっかり考えて書くことができました。普段、あまり意識しないようなテーマなので、難しかったかもしれないけれど、いい題材を見つけることができたね。
 教科書に載っている詩は、読めば読むほど考えさせられるね。「愛と春はどっちが高い? 愛だろう」と、あえて値段をつけることによって、「お金に換算できないものに価値がある」と伝えたかったのかな。また、意気陽陽君の集めている十円玉の話もおもしろい。値段をつけるとすれば、十一円ということになるのだけれど、意気陽陽君にとっては、それよりずっと価値がある。同じものでも、人によって価値が違うということもわかるね。
 現代は、お金を出せば何でも手に入ると勘違いするような時代になってしまったね。確かに、お金があれば物質的には豊かな生活を送れるかもしれない。でも、意気陽陽君が引用してくれた詩に出てくる「愛」「春」「なみだ」は、どれもお金に換算できないけれど、すばらしい価値を持つことを忘れてはいけないのだね。今回は、電話の説明がなかったけれど、がんばって立派に書き上げました!

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