創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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日本語 おねえ
季節感はやはり微小感覚のものである。花便りの言葉も、微小感覚を表し分けてまことに風情に富んでいる。ところが、散り初めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた。「降る」でよいではないかと思うのだが、雪よりも長く時間をかけて、浮かびながら降りてゆく一枚一枚の、数量と重量についての微小感覚が、「降る」には欠けていてもどかしい。
私も、言葉には言い表せないような体験をしたことがある。それは、イグアスの滝というところへ、家族旅行に行った時だ。その滝ははく力があり、とてもきれいだった。初めて見た人はだれでも感動するだろう。その景色は言葉では言い表せない、見ないとどういうことか分からないと思う。まるで生き物みたいに動いている、はく力のあるものだった。私は滝を見ていて、わくわくとか、ドキドキといった感じがして、「ここへ来て良かったなあ」と思うことができた。なんだか、「すごい」や「楽しかった」というような言葉で表したらもったいない気がした。言葉では言い表せないという体験はめったにないだろうから、良かったと思う。
言葉といえば、日本語とスペイン語の違いだ。日本語にあってスペイン語にはないという言葉がある。それは主にあいさつが多い。例えば、「いただきます」や「ただいま」、「おじゃまします」などである。他にも「おやすみなさい」と「こんばんは」が同じだったり、その言葉がなかったりする。どうしてそんなことがあるのかは分からないが、私は、日本語は細かくてスペイン語では道で会った時とほとんど同じようなあいさつをする場合でも、「おじゃまします」などと言い、いろいろなあいさつをかわすということが分かった。そして、何となく外人が、「日本語って難しいね」と言う意味が、分かった気がする。
私は、日本語は難しいし、細かいからこそ気持ちが良く伝わると言うことが分かった。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、言葉では言い表せない、感動できる場面というのは、実際に見てみないと分からないものなのである。人間にとって言葉とは、気持ちを伝えるのにとても大切なものである。これから、まだ知らない言葉を覚えて、いろいろな表現ができるようになりたい。
講評 hoemi
言葉では言い尽くせない感動や出来事があるということを、体験実例を具体的に挙げて書くことができたね。
【構成】 言葉で表現することの難しさをうまく要約できたね。
【題材】 イグアスの滝はテレビで何度か見たことがあるけれど、実際に見ると圧巻だろうね。まさにピタリと言い当てる言葉が見つからない感動がわき起こってきただろうことは容易に想像できるよ。また、日本語とスペイン語の間で苦労した経験がよく表現できていたよ。ここにも言葉の難しさはしっかりと存在しているのだね。
【表現】 滝が<まるで生き物みたいに動いている>という表現だけで、イグアスの滝がただものではないことがうかがえるよ。
【主題】 言葉の難しさを超えて、いろいろな表現に挑みたいというグルミンさんの気持ちがよく伝わってきたよ。一般化の主題を入れることができました!
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