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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   間の生かし方   ☆shooting star☆

 話し上手と呼ばれる人はたくさんいるが、その人はおしゃべりとは言わない。饒舌の人は、とかく「間」をとることに気が回らなかったり、その必要を感じていない場合が多かったりする。それに対して、話上手と呼ばれる人は、意識しているのか無意識のうちなのか、うまく「間」をとりいれている違いがあるように、私は思う。いかなる名言、名文句も、同類のものがただ隙間のなく積み重なられるだけでは効果乏しく、文章の力みも、ただそればかりでは弱みに転じてしまうのは苦い教えである。自然に「間」を必要とするのは、必要とするだけの実質を備えているもの、ということになるのだろう。パリの風景画で一点だけ朱の入った絵のように。私たちは間を生かし、それにふさわしい内容を備えることを心がけたいものだ。
 私がそう考える理由は二つある。その一つは、間がないと、その力が発揮できないからだ。幼い頃、私は水泳を習っていた。最初は全く泳げず、ジタバタしているだけの、まるでポイの上の金魚のようだった。(笑)どういうペースで足と手を動かせばいいのか、さっぱりわからなかったのだ。そのため、いつもバシャバシャと水を大量にはねかせては、下にだんだんと沈んでいっていた。しかし、水泳友達や水泳のコーチに、
「足と手は順番に、こうやるんだよ。」
「腕を上げるときは、四十五度ぐらいの角度で、こういう風にね。」
と、見事なお手本を見せてもらっているうちに、少しずつ泳げるようになっていった。だが、息を吸うとき、どうすればいいのか、まだわからずにいて、泳いでいる間、どうしても立って息をしてしまっていたのだ。しかしそれも一週間後には、完璧にコツを理解し、泳いでいる間に息を吸うことができるようになった。そのコツとは、息を吸うときは、泳いでいる間に少し間を入れて、思い切り深く吸い、そしてまた泳ぎ始めることである。このように、水の中を泳ぐときは、ちょっとの間、間を入れて息を吸うということを学習した。
 もう一つの理由は、話すときに間をとることで、人の注意を引くことができるからである。例えば、学校の授業のときなど。喋り方の違う先生、T先生とY先生の二人がいたとしよう。T先生は、生徒達に勉強を教えているとき、その子達にこれを伝えたいと思いが先行し、どうしてもたたみかけるようにして教えてしまう。なので、生徒達は教えを十分に聞くことができず、教える気がないのだというように思われ、口を早く動かして教えようとしてしまうT先生は、教え子達の視線をきちんと捕らえることができない。一方、Y先生は、生徒達の視線を十分に捕らえ、その子達もちゃんとY先生の授業を聞いて、勉強を学んでいる。何故かというと、Y先生は話すとき、少し間を入れて話しているからだ。
「ここは、こうして計算して、ここで公式を当てはめ、・・・。」
という風に、話中に句読点を入れる。そのおかげで、生徒達の注意を引くことができ、その子達の頭に教えたことをきちんと入れられるのだ。要するに、相手の注意を引くには、間を入れて話すのが一番いいのである。
 確かに、内容の充実を考えることも大切だ。しかし、「時間を作る第一の方法は、急ぐことではなく、どこに時間を使うか考えることである。」という名言があるように、「間」を生かして、それによってさらに内容を強化できることを心がけていくことが必要だ。話の中で間がなければ、その正確な情報も伝わらないし、コミュニケーションが楽しめず、議論が無駄になってしまうのだ。他にも、音楽の演奏やスポーツなど、「間」が重要となるものがたくさんある。私達は、「間」をどういう風に生かすか、あるいはどういう風に使用するかということを考える必要がある。

   講評   hoemi

 コミュニケーションの上だけでなく、あらゆる生活の場面での「間」の重要性をまとめることができたね。
《一段落目》 うまく要約できているよ(^o^)自分の言葉で要約する作業は思う以上に大変だけれど、少しずつ慣れていこうね。
《二段落目》 たしかにスイミングでの泳法の中にも「間」はしっかり存在しているね。「間」こそがうまく泳ぐための秘訣なんだよね。体験実例を具体的に挙げることができていたよ。
《三段落目》 複数の理由②は身近な学校の先生の話し方を具体例に挙げて説明できたね。たしかに、あれもこれもと詰め込むような形で授業を進める先生よりも、脱線話が多い先生の授業の方が印象にも残るし、また学習したことがしっかり身についているなんてことは実際に少なくないよね。
《四段落目》 「間」を活かしたコミュニケーション術、そして「間」を活かした生活術を身につけることで、より豊かな生活を送れるのだという☆shooting star☆さんの主張ができたね。名言の引用、反対意見への理解もよくできていますよ。

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