国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   日本語の表現   ぼんちゃん

 季節感はやはり微小感覚のものであり、巨視的に、日本列島全体を見下ろすスケールは、どうも花見のさまではないと思う。ところが、散り初めのころのある日、枝を離れた花びらが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた。これと同じようにからまつのこまやかな葉が、自分の重みだけで枝を離れ、金色の光をひるがえしながら、音もなく降り積む光景を、私は秋の信州で見たことがある。今なおあの光景を表す言葉を発見できないままである。桜の花びらと、からまつの葉と、自然はついに言語の及びえないものである。花便りのいろいろの言葉を作り出し、育ててきた日本語だから、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。それは、日本語になくてはならない言葉のように思えるのだが。
 家の中でゴキブリに出会ったときの驚きと恐怖の入り混じった感情は到底言葉では、言い表せない。まず最初に驚きの感情が現れ、次に恐怖が現れる。「怖かったー。」でもないし「おっどろいたー。」でもない。こんな言葉はないが
「驚怖かったー。」
というような感じなのだ。
 そのかわり、ゴキブリが撃退されたときは本当に「ホッとした。」という気持ちである。
 日本語では言い表すことができないものもあるが、私は日本語は世界の様々な言語の中でも色々な擬態語・擬声語・擬音語が多い言語だと思う。特に日本語は水のオノマトペ(擬音語)が多いという。例えば「雨がシトシト・ザーザー」、「涙がさめざめ」、「しずくがポタポタ」など。雨について英語で説明したら、雨の降り方の強弱などしか言い表せず、どんな様子で降っているかは説明できない。世の中の森羅万象を日本語で言い表せるわけではないけれど、日本語には様々な表現があると思う。
 よく「言葉のキャッチボール」という言葉を耳にする。これはもちろん人と人の会話を示している。
 人にとって言葉とは、他の人間と会話する為のものだ。もちろん言葉は万能ではないからすべてを伝えてくれるわけではない。しかし「窮すれば通ず」ということわざがあるように、人に自分の気持ちを伝えようと工夫することで、言葉が豊かになってくる。私たちの祖先はそのようにしながら「人間の言葉」を作り出していったのに違いない。

   講評   kirara

 心に浮かんだことをうまく表現できないとき、「もっと言葉を知っていれば・・・」とくやしい思いをすることがあります。たくさんの言葉を身に付けていたいものですね。
 <<こうせい>>豊かな日本語でも、言い表せないことがらが存在するという点を、うまくまとめることができました。
 <<だいざい>>前にも、ゴキブリのことを作文に書いたことがありましたね。大嫌いなだけに、最大の関心事(? )なのかな。二つの実例を、共通の話題にして書いてあるのが、工夫されていていいですね。
 <<ひょうげん>>少しつかいにくいかな、と思いましたが、とても上手にことわざを使えましたね。あとの文へスムーズにつながっています。
 <<しゅだい>>自分なりの考え方が述べられていて、すばらしい。「伝えたい」という願望が、言葉をうみだしていったのですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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