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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   話し上手の人がいます   いすも

饒舌の人は、とかく間を取ることに気が回らなかったり、間の必要を感じていない多いのに対して、話し上手な人は無意識のうちにうまく間を取り入れることが出来る。風も通さない饒舌は、聞いているほうも苦しくなる。余韻とか余情、ふくみ、それらは全て間のいかし方にかかわっているように思う。自然に間を必要とするのは、必要とするだけの実質を備えているもの、ということになるのだろうか。私はやはり間は大切だと思う。
 まず間が大切だと思う一つ目の理由は、間がないと、何が何だか分からなくなってくるからである。私はカナダに住んでいて、毎週土曜日に補習校で日本語を習いに行く。そこで、私達は日本などについてたまにスピーチをすることがある。さて、ある時1回私は宿題に出ていたスピーチを考えるのを忘れたことがあった。題名は日本と貿易。全然聞いたこともない題名である。だんだん時間が迫ってきており、パニックしてきた。もういい、教科書を全部読もう、と思った。そして、私の番が来た時。私は参考書と教科書を持って教室の前まで来た。そして、そこの中から貿易の部分を抜き出し、いっぺんに読んだ。用意をしていなかったことで、いつもよりも極度に緊張し、私も自分で何を読んでいるのか良く分からなかった。何とか終わって一旦息をつき、席に戻った。私は何を言ったのだろう、何のスピーチをしたのだろう、と思っていた時、ふと隣の私の友達から声をかけられた。
「ちょっと、さっきのスピーチ全然分かんなかったんだけど。ほとんど教科書を読んだでしょ。それでも、もうちょっとゆっくり読めばよかったのに・・・自分でも何言っていたかわかんなかったんじゃないの。」
と言われ、全くそのとおりだ、と反省した。私だけではなく、聞いていた人たちも絶対分かっていなかったはずだ。今思うと、間を全然入れなかったからこんなことになったのだと思う。改めて、間をおいて話すことは大事なのだな、と実感した。
 さて、間が大切なのは話す時だけではない。音楽でも共通しているのだ。私はもう長い間ずっとピアノを弾いている。たくさんのコンクールやコンペティションなどにも参加し、様々な経験を得ることができた。さて、あるコンクール。私はプログラムの二番目で、一番目の人が弾くのを聞いていた。その子は凄く上手であった。見た目だと私より四、五歳は年上だが、超難曲を弾きこなした。このため、その子の二番目として、私は変なプレッシャーと緊張感に包まれ、頭がグルグルだった。それでも時間は待ってくれない。私の番は五分もたたないうちにやってきた。曲は弾きこなすことができたが、いつもする呼吸法や、間をおくことができなかった。そして、皆一通り弾き終わって、審査委員のコメントの時。私にはこういう言葉が送られた。
「音楽というものは音と間で出来ている。音だけ弾けても間がなければ、音楽ではない。あなたの曲にはもっと間を入れなさい。」
と言われた。音楽でも間が大切なんて、初めて知った。間というものは話していても、音楽でも大事なのだな、と思った。特に今は音楽にある「間」が大切であることを実感している。特にショパンの曲は、休符がその曲の雰囲気を醸し出すものすごく大切な「間」を与えている。ショパンの曲の中に潜んでいるほんの少しの「間」。ここにショパンの想いがこめられているのである。
 だが、確かに間を入れないのもいいかもしれない。私の場合、友達なんかと話をする時、別に間をおこうなんて余り思わない。むしろ、友達と話す時は間をおかないで話した方がコミュニケーションも進むし、楽しい。会話がキャッチボールのように弾む。だが、私はやはり間をおくほうがよいと思う。間を置くことによって、皆により分かりやすく、話したいことを分かってもらい、音楽でも、よりいい音楽にしてくれるからである。

   講評   hutu

毎週文章のまとめ方が上達しています。いすもさんの伝えたいことがうまく伝わっていると思います。
<是非の主題> 「間」の大切さ。適当な長さの間のない会話は、息苦しいものになります。ただし、相手とのキャッチボールが会話の基本。間をとり、理解し合う努力はどちらか一方がすればいいというものではありませんね。
<複数の理由一> 「何が何だかわからなくなってくるから」
言いたいことはわかります。「言いたいことがうまく伝えられないから」とも言えますね。
<複数の理由二> 第三段落に書かれた二つめの理由。まずは、「二つめの理由は、〜だからだ。」と<理由> をはっきり述べましょう。
「特にショパンの曲は、休符がその曲の雰囲気を醸し出すものすごく大切な「間」を与えている。ショパンの曲の中に潜んでいるほんの少しの「間」。ここにショパンの想いがこめられているのである。」
このようにすばらしい考えがまとめられているのですから、そこから<理由> を導き出して段落の最初に書きましょう。
(例) 間に想いがこめられることもあるからだ
<体験実例> 
一つめの理由、二つめの理由、それぞれにいい体験実例を書くことができています。伝えたい! と思う気持ちが間をうむのだなとあらためて考えさせられる出来事ですね。
★ 「ある時(1回← 省きます)私は、宿題に出ていたスピーチを考えるのを忘れたことがあった。題名は「日本と貿易」(← 「 」をつけるといいですね)。全然聞いたこともない題名である。だんだん時間が迫ってきており、パニックしてきた(パニックになってきた)。
<ユーモア表現> 「私だけではなく、聞いていた人たちも絶対分かっていなかったはずだ。(笑)」
というように、項目表のキーワードをその該当する部分に書きこんでおきましょう。
<名言の引用> (例) 音楽でも間が大切なんて、初めて知った。目から鱗が落ちる思いだ。
と、ことわざを引用してもいいですよ。
<反対意見への理解> 「だが、確かに間を入れないのもいいかもしれない。」→ 「確かにテンポ良く話すことは大切だ。」 と言い換えられますね。

 来週は清書です。2週目の作文が良いと思います。でも、今週の作文も少し訂正箇所はありますが、体験実例がとてもいいですね。どちらか好きなほうを清書して送って下さい。
 6、1週は進級テストです。●項目が全て入っていることと目標字数を超えることが合格の条件になります。感想文ですからしっかり長文を読んでおくこととできれば似た話を見つけておいて下さいね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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