国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   怖いくらい楽しい   

 「あ、この柄可愛い〜。でもこれに似た奴この前買ったしなぁ。それを考えるとこっちの方が…。」
台詞だけ聞けば女の子のありがちな買い物風景である。しかし、私が買っているのは洋服とかバッグとかそんな女の子達がよく買い物するアイテムではない。
「あんたさ、そんなに買って何書くつもり?」呆れた友達の一言。「何『書く』つもり」…そう。私は先程から、2,3冊のノートとにらめっこをし続けているのだ。
 友達の言うように何かを書くのならまぁ普通だろう。しかし私に買われていったノート達は大抵「ものを書きとめる」という本来の役目を果たすことはない。何故なら私の机の「My note」スペースに綺麗にしまわれてしまうからだ。ものを書くのでないのなら、何のために集めているのか。…それがわかれば苦労はしない。
 最初は、ちゃんと理由があった。偶然立ち寄ったとある文房具店。それまで勉強に使うようなシンプルなノートしか見たことのなかった私は、そこにあった可愛いらしいノートにとても惹かれた。つい手が伸びてしまい、「これで日記でも書こうかなぁ」何て考えている内に足はレジへ。これが、私のノート集めの始まりだった。普通なら「可愛いノート買えてよかった」で終わりだろう。しかしそうはいかず。私は数日後、また好みの柄のノートを見つけてしまうのである。その瞬間つい口走った言葉。「私って文章の量多いから!すぐ書き終わるだろうからそのために!」…別に誰も聞いていない。そんな訳で私はどこにもいない誰か(自分?)に言い訳しつつ、2冊目も買ってしまったのである。そこで止めておけば良かったのだ。しかしまたその数日後——察しの良い人はおわかりだろうが——私はまた自分好みのノートを見つけてしまったのである。「2冊買ったら3冊も同じだぁ!」3冊なら4冊も、4冊なら5冊も…。それ以来、私のノート集めは止まることを知らない。むしろ坂道を転がるボールのように、どんどん勢いを増していったのである。
 そういえば、私は小さい頃から何かを集めるのが好きだった。塗り絵、パズル、知恵の輪…。だけど今までは、しばらくするとその“熱”は収まっていた。それは、これらが一回やってしまうと二度目はおもしろさが半減する(もしくはできなくなる)ものばかりだったからだろう。だから、飽きっぽい私は次第に冷めていったのだ。しかし今回のノート集めは、「一回やる」も何も一切使わずに保管されてしまうからそれがないのだ。使わずにずっとしまってあるので、いつか使うときのことを想像し続け、それを楽しめる。だから、母に「あんたそんなに買ってどうするの?ノート専門店でも開く気?」と嫌味を言われるまでになっても、私の“ノート熱”は一向に収まらないのである。
 人間にとって物を集めることは、自分の満足感を更に増やすものである。集まれば集まる程、気分は満ち足りていく。それが気持ちよいから更に集める。集まらないと、別に自分に必要のないものでも、何か損失した気分になる。だから探す。そして見つかり満足する。これがどんどん繰り返されていく。…何だかこういう書き方をすると恐い。そんなことなんか考えず、気が付いたら手が伸びてしまう、という方が適切かも知れない。…これはこれで恐いか。

   講評   nane

 うまい!
 この作文を読んで、共感する人は多いと思う。
 体験実例がユーモラスに書けている。
 結びの一般化とオチも面白い。
 小論文の課題になっても、この体験実例は生かしていこう。硬い意見に、こういうやわらかい実例を入れるとそのギャップが面白くなるはず。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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