創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   孤独で成功はつかめない   タクミコ

私たちは確かに大気や大地といつも交流し、交感し合っているが、自らの生理現象がまさに大気や大地との相互性そのものであるということを私たちは忘れている。私たちの存在様式の根本は、個体としてではなく交わりとしての存在様式であるが、それを「忘れる」ことによって逆に「個体」であることの方をより自覚してきたのである。だから生命なるものを日常的に問う観点を発見する必要があるのではないか。現代社会では、個人の利益が追求され、全体の調和は二の次である。しかしこのままでは社会全体に歪みが出るだろうことが問題だ。
第一の原因は、人間関係のあり方が変わってきたことにある。それは地域共同体の意識が希薄となっているだけでなく、現代社会の根本にある資本主義の「成果が全てだ」という考え方にも表れている。例えば、日本の教育制度の中では試験のテストが重要視される傾向にある。私の学校も例外ではなく、大体の場合は試験一週間前になると「そんなに勉強しないでよ」や「平均点をあげないで」とお互いに言い合う姿が見られる。その心境は納得できるものではあるが、それはあくまでも私たち自身が資本主義の視点からこれをみつめているからだ。つまり、これらの発言は個人の利益が優先されていることの象徴であり、本来であれば「皆で一緒に頑張って皆で良い点をとろう」という発言があっても良いのではないだろうか。
そして、全体の調和を考えるはじめるための対策としては学校での集団生活、団体行動を通して、自分だけでなく全体に目を向け、その集団全員にとって最も良い判断を下し、実行できるような子供を育てていくことである。たとえば、私は頻繁にアメリカのサマー・キャンプに参加しているが、そこには様々な環境で育ち、全く違う価値観を持っている人が集まっている。それがなぜ上手く機能するのかにはいくつかの理由があると思うが、その一つは必ず初日にお互いにとって「許しがたいもの」を発表し、それを配慮した一種のルールを作っていくことだ。ギブ・アンド・テークを自分たちで話し合って実際に体験することによって全体に目を向けられるようになる。
確かに、現代では社会全体が個人の利益に重きを置く姿勢がみられる。しかし、根本である交わりを軽視していることは近い将来、社会の歪みとして私たちの身にふりかかってくるであろう。本当の豊かさとは、決して経済的なことだけではなく、人間性や心のゆとりにあるのだ。そのことを忘れずに生きていきたいと思う。

   講評   hota

 まず、満点で、進級テスト合格です。おめでとう。今学期はあまり書けていませんでしたが、さすがタクミコさん。進級テストでは、しっかりと要点を押さえた書き方ができましたね。

 要約もコンパクトでよいです。もう1文、「「根源としての交わり」と私が呼んだもの、それを私たちのよく知っていることばに言い直せば、生命ということになる」を最後から2番目に入れておいてもよいかもしれません。

 今学期の課題である「予測問題の主題」、それについての原因と対策、「体験実例」、「自作名言」もよいですね。

 「反対意見への理解」は、「確かに、現代のような資本主義社会では、社会全体が個人の利益に重きを置くのはしかたがないことかもしれない。」とすると、よりよいですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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