国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   オーラ   いうや

 能を見ると分かるが、能役者の足の動きは独特である。また、足ばかりではなく体全体からひとつの構えになる。その体の奥には、男も女も化け物も幽霊も、神も仏も、それこそ全ての可能性が見えてくるような体になる。そこには人の心を奪う異様な力があるのだ。その力を追及していくとそこに型というものが浮かび上がる。日本人は現実の肉体をこえて現れたもう一つの身体に精神性があると考えている。この身体の思想は西欧近代の例えばデカルトの示した精神と肉体の二元論とは、全く対照的なものである。身体の問題を忘れかけてきている現代の社会は問題だ。
 その原因としては第一に、物事をいかにして早くこなすかということが、社会で求められているからだ。先日テレビで特集を見ていた。他ごとをしながら見ていたのであまり詳しくは覚えていないが、壁に材料を塗装するものだった。たかが壁に塗るぐらい楽勝だろうと思ってみていたのだが、画面を通してその難しさが染み出ていた。やはり師匠のような人は上手い。むらがなく、美しい。何かを取得するのには時間が要るのだ。
 その原因は第二に、日本の文化がどんどん失われ、欧米化していることだ。日本食が海外で取り上げられる中、ファーストフードが普及しているのはその例だ。また医学もそうである。西洋医学が主流となっている。つまり体を部分ごとに分けて治療する方法だ。まるで車の部品のように(笑)日本は、もともと精神的な治療で病を治す方法だった。
 確かに、精神的な論理重視の社会のシステムも大切だ。そうでなければ社会は混乱してしまうだろう。しかし、瞬間的に相手に与えるオーラは、時間に追われる人間ではなく、力溢れる構えである。人は、自分の体の動きで相手にインパクトを与えることもできる。身体の問題が疎かになっている現在の社会は問題だ。

   講評   huzi

 精神と身体は切り離せないもの。気持ちが沈むと体調が悪くなるという体験はありがちですが、身体の動きが精神を整えるという別の視点もありますね。簡単に言うと、今回は後者の見方で考えた長文です。
  【原因】は身近なところから掘り起こすことができました。むらなく美しく塗装を行う、その行動(身体)には、体の鍛錬のおかげでの精神力が宿っているのでしょう。気持ちだけでは、美しい作品は作れません。
 欧米化をとりあげたのはユニーク。部品を直せばよくなる=身体性をさらに細分化した解決法ですが、身体性に宿る精神を置き去りにしてはなりませんね。※日本はもともと精神的な治療で…のくだりは、根拠があったほうがいいかな。
 「オーラ」を説いたまとめは説得力十分。力溢れる構えで、自分の在り方を示すことができる人。そんな人になれるといいね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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