創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   感動は言葉では現せない   うさちゃん

 花便りのいろいろの言語を作り出し、育ててきた日本語だから、私のまだ知らないところに、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。
 私は去年の夏休みに、沖縄に行って来た。沖縄の食べ物も想像以上に文化の違いを感じたが、それ以上にすばらしい物があった。それは、海だ!エメラルドグリーンの海の上を飛ぶ飛行機に乗っている時、私の口からは、「わ〜。」と言う感動の声しか出なかった。そのきれいな海に、サンゴ礁に囲まれた島々が、点々と散らばっている。テレビや、写真で見た事がある風景が、今、私の目の前に広がっているのだ。
 海の中のサンゴ礁がスケスケの遠浅な海に入ったのは次の日の事だ。海に入る時、すぐにバシャバシャと入ってみたかったが、もしかしたら、沖縄だから魚がいるかもしれないと思ってそーっと入った。今までにないぐらいワクワクしていた。入ってからすぐに小さなサンゴ礁が見えた。まるでスズメバチの巣のようなさんご礁だなーと思ってなんとなくサンゴの穴の中をのぞくと、その穴からきれいなブルーの魚が出てきた。海に入って手の届くところに魚が出てくるところなんて、今まで一度もいったことのなかった私は、その三センチメートルより小さい魚一匹で嬉しくなってしまった。しかし、もう一歩足を踏み出した瞬間、ぬめぬめした黒い物体を踏み潰してしまった。あわてて足を引くと長くのびたナマコだった。この気持ち悪さも言葉では表現出来ないものがある。さらに奥に進んでみると、今度はごつごつしたサンゴ礁があった。そこには、遠くから見ても分かるくらいの沢山の派手な魚の姿があった。しかも、さっき泳いでいた三センチの魚の何倍もの大きさの魚だ。そこには、ハリセンボン(その時は怒っている真っ最中)、エンゼルフィッシュ、箱ふぐ(黄色)などなど、いろいろな魚がサンゴから出たり入ったりいそがしそうに動いていた。まるで、熱帯魚がいる大きな水槽の中にもぐりこんだような感じだった。水中だから、しゃべる事が出来ないが、そばにいた父に、すいちゅうめがねごしに身ぶり手ぶりで感動を伝えた。たとえしゃべる事が出来たとしても、この感動を現す言葉が思いつかなかっただろう。そのかわり、スノーケリングをつけて水中にもぐり、沢山の魚たちに拍手を送ってあげた。
 母も感動で言葉を失うような事があったらしい。
「お母さんって色んなところに旅行行ったからきれいなところ沢山見てるんでしょう。いいなー。」
「もちろん!今までの中で一番きれいだったのは、カナダで見た、湖ね〜。エメラルドグリーンで絵の中からそのまま切り取ったような景色よ。」
「え〜。沖縄だって同じじゃない。」
「スケールがちがうのよ。つまり、バスで三十分も一時間も走っても、その美しい景色がず〜っと続くぐらいダイナミックなの。そして、目的地の湖は、それはそれは息をのむほど美しかったわ。うまく言えないけれど、自分がこのきれいな景色にとけこんでいくような不思議な感じがしたものよ。」
 このように、私の沖縄での感動も、母のカナダでの体験も体の五感で感じた、心が沸騰するような感覚は誰かに言葉では伝えにくいという事が分る。
 人間にとって、言葉とは、決して万能な道具ではないという事が分かった。

   講評   tama

 偉大な自然の前では、私たち人間がいかにちっぽけな存在であるのかを思い知らされます。その人間が作り出した言葉が万能ではないということにも、納得できますね。




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