国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   使いこなせるコンピュータ   うっちー

 コンピュータほど使う人の技量が試される道具は人類の歴史の中でもなかっただろう。初心者には起動するだけでも手一杯なのに、熟練者は他の人とは比べものにならないくらいのスピードで同じ仕事をこなしてしまう。本来ならどんな人にも同じように仕事の迅速化をもたらさなくてはならない道具が使う人を選んでいる状態にある。現代の日本人はコンピュータが本来の性能を発揮できないのは使用者が未熟だからであるという結論に飛びつきがちだが、人々の為により便利に発展すべきであるテクノロジーこそが未熟だと言う批判を受けるべきだ。現代の日本人が自らに合わせて技術を進歩させようとするのではなく、テクノロジーに追いつこうと精進せざるを得ない状況は問題だ。その原因は二つある。
 第一の原因として日本人が昔から持っている真面目さがある。日本人はどちらかと言うとやることなすことがすべてうまくいって成功した人よりも、何度も挫折を味わいながらも努力を怠らず成功した人を立派な人と評価する。私の先生も事あるごとに遊びほうけていたけど何かのきっかけを得て、改心して真面目に勉強に取り組むようになった先輩の話ばかりをする。たまに破天荒な人の話もするが、そのときの話の最後はその人たちの成功は運が良かっただけでこんなことで成功するやつは他にいない、となってしまう。このように日本人は生真面目に努力をして正攻法で突き進んでいくことを美徳と考えがちだ。
 また第二の原因として最近の科学技術を理解不能だからといって畏怖して恐れているからだ。二十世紀初頭にアインシュタインが相対性理論を発表して以来、物理学はニュートンやガリレオの頃とは違って普段の生活で実感することが出来ない世界になってしまった。それ以前は条件を設けた実験などから結果を得てその結果を元に考察し世界の法則を発見していたが、アインシュタイン以降は実験は科学者の頭の中とコンピュータの中で完結するようになってしまったのだ。そのため進んだテクノロジーは理解できないものであるかといって自分たちを卑下してしまい、技術を使いこなせる上級者と自分たちを比較して自分たちの方に厳しいノルマを課すのだ。もし進んだ科学技術が学者たちにしか理解できないで使いこなせないのであれば、世の中の約半数いる文系の人間は皆がコンピュータを使いこなせないことになってしまうだろう。(笑)
 確かに最低限の知識と経験がハイテク機器を使うときには必須であり、そういった体験はこれからの学校教育の中で行っていかないといけないだろう。しかし、コンピュータは賢い人が自分の技術を誇るために開発したのではなく、自分が技術の無い人の助けになるために開発したのだ。本来人を助ける道具であるハイテク機器を使いこなすのに複雑な知識が要求されるのは人類が自ら楽をするために続けてきた道具の使用というスキルに矛盾するものだ。今の日本人がそういったハイテク機器を使いこなせないのを恥じだと思ってい続けるのであればコンピュータは間違った方向に発展してしまうだろう。使いこなせるごく一部の層と大多数の使えない人たちが出てきてしまうだろう。すべての人にとって使いやすいコンピュータを声高に要求できない日本の現状は大きな問題だと思う。

   講評   nane

 書き出しの段落は、問題の焦点がよく絞られている。
 日本人の真面目さというのは美徳だけど、やはり幅の狭い人間を生み出しがち。しかし、狭い島国だから、そういう人が多数派でかえってよかったという面もある。
 科学の発展に追いつくほど、科学教育が進んでいないということもありそう。アインシュタインの相対性理論も、高校の物理学でしっかり教えればいいのに、ニュートンの力学あたりでお茶を濁しているからだめなんだよね(笑)。難しいものをわかりやすく説明することがこれから大事になってくる。
 コンピュータは、特にアメリカで発達したから、日本人の感覚に合わない部分が多い。日本的なコンピュータがこれからできるといいね。


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