低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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直感を大事に 意気陽陽
見テ 知リソ
知リテ ナ見ソ
見てから知るべきである、知ったのちに見ようとしないほうがいい、という意味でしょうが、じつはもっと深い意味があるような気がする。まず見ること、それに触れること、体験すること、そしてそこから得る直感を大事にすること、それが大切なのだ、と言っているのではなかろうか。では、われわれは知る必要がないのか、というふうに問われそうですが、これもまたちがいます。そのへんが非常に微妙なのですが、柳宗悦が戒めているのは、知識にがんじがらめにされ、自由で柔軟な感覚を失うな、ということでしょう。おのれの直感を信じて感動しよう、というのです。
僕は知識にとらわれすぎずに、直感を大切にすることは大事だと思う。その理由は二つある。第一の理由として、知識にとらわれすぎず、実際に自分の目で見たほうが知識ばかりよりずっとためになるからだ。
僕は前に北海道のあるスキー場にスキー旅行に行った事がある。そこはニセコアンヌプリ山という標高1300mほどの山にあったのだが、近くに「蝦夷富士」と呼ばれている標高1900m程の羊蹄山があり晴れているととてもきれいに見えると聞いていた。
僕は何度か富士山を見たことがあったので、「な〜んだ。富士山の半分しかないのか」と思っていた。また、写真で見たかぎりでも、そんなに大きそうではなかった。しかし、実際に見てみるとニセコアンヌプリ山でも十分大きく見えて、羊蹄山などはあまりに大きさに圧倒されて、言葉も出なかった。
第二の理由として、知識にとらわれすぎると、その物の本当の姿が見えなくなってしまうからだ。僕の学校の美術室には他の学年の人が描いた上手な絵がたくさん掲示してあるのだが、その中に、「これは何?」と言う題材で描かれた絵が、十枚ほどあった。
その中に、ぱっと目に入った作品があった。その作品は黒と白だけを使った作品で、黒い画用紙に白で紙の外側を向いて背中を向かい合わせている、かなり歪んでいる二匹のウサギが描いてあるだけの絵だった。しかし、その作品の題名をみてみると、「ムンクの叫び」と書いてあった。
おかしいとおもって、もう一度その作品を見よくてみると、ウサギの背中と背中の間に頬に手を当てて絶叫している人が描いてあった。
確かにたくさんの知識を知ることも、場合によっては大事かもしれない。しかし、「家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである」という名言もあるように、知識ばかりの人間ではなく、実際のものを見てそのときの直感を大事にしていかなければいけない。
講評 sugi
今回は、意見の導き出し方がうまい! ここがうまくいけば、そのあとの理由、実例なども断然書きやすくなってくるので、どんな意見にするかというところは重要だね。
意気陽陽の体験実例は、毎回楽しみにしているよ。どのテーマでも、実例を豊富に出すことができるというのは、意気陽陽の強みだね。まずは北海道の山の大きさについて、書いてくれました。富士山の半分ほどという『知識』が、あやうく山の大きさに純粋に感動する気持ちに水をさすところだった……。知識が豊富すぎて、頭でっかちになるのも考えものだね。
もう一つの実例も、おもしろかったよ。この話は、文章で説明するのが難しかったけれど、よくわかるように言葉を工夫できたね。白黒を反転させると、違う絵に見えてくるというような「だまし絵」は、いろいろとあるので、調べてみよう。最初に「○○の絵だよ」という先入観を与えられると、それにしか見えなくなってくるので、人間の頭の中は不思議だね。
今回は、特に題材が光っていたよ。また題材探しを楽しんでやっていこう。
「……と言う題材」 → 「という」はひらがなで
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