低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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知価社会 周
今進行している技術革新は、主として多様化、情報化による「知価」部分の増大と省資源化による物財消費の削減を目指すものだ。「知価」創造は現実的にも論理的にも数値化不可能な性格のものである。「知価」の値打ちの形成原理は、工業社会的ではないし、そんな知価に対して欲求を募らせ、惜しみなく対価を支払う精神も、工業社会的合理精神とは異質のものである。だからこそ、「知価」が重要な役割を果たすような社会、「知価社会」は、工業社会の延長上にある「高度社会」などではなく、工業社会とはまったく別の「新社会」なのである。私達は、「知価」という価値観を受け入れるべきである。
第一の方法としては、選ぶ自由を大きく認めることである。日本では、職を転々としているというと悪いイメージがある。しかし、欧米では、有能な人材はほかの会社に引き抜かれ、ずっと同じ会社にいる人は能力がない人とされるのである。
第二の方法としては、情報がうまく普及するようにすることである。現代、ユビキタス社会がどうとか言われるが、情報化社会が進むにつれて格差が広がっていくことも考えられる。2011年には地上デジタル放送に完全移行するが、その後テレビを見るためには何らかの対策を講じなければならない。貧乏な人や、お年寄りが対策をできずにいると、今まで以上に情報格差が広がるという問題がある。
確かに、私達の豊かな生活は高度経済成長期に作り上げられたということは否定できない。しかし、現代の社会とは、工業社会ではなく、知価社会である。私達は「知価」を受け入れ、尊重していくべきである。
講評 kira
周くん、こんにちは。大量生産、大量消費、そして、メイドインジャパンとして世界に認められた日本の物づくりの技術の高さと、かつての価値観はどちらかというと目に見えるわかりやすさがありましたね。新しい価値観である「知価」とは、目に見えない数値化されない、とらえどころのないようなものなのです。
その知価の社会を受け入れるにあたっては、まず選ぶことのできる社会をつくることですね。規格化されたものではなく、独自性のある価値を選ぶ自由のある社会をつくることです。働くことが、日本でも、能力をベースにした契約の意識になってきました。終身雇用にも大きな意義はあるのでしょうが、そこに身を置くとしても自分が選んでいると言う意識があるのは重要ですね。
そして、知価が活きるために、皆が情報を共有できる環境も必要でしょう。情報化の時代は、デジタルデバイド(情報格差)を生まないように留意しなければなりません。地上デジタルについては、わかったようでわかならいままにしている層がありそうです。(私もそうです。ソウだらけ。)
自作名言が、テーマそのもになって、ちょっとひねりが足りませんでしたね。主語を「価値観」にしてチャレンジしてみてはどうかな。
物をたくさん所有することが豊かであるとされた、飽和で窮屈な時代から解放されて、自分がどんな発想やひらめきを味方につけるかということで磨きをかける時代となったのですね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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