創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   “管理”を正す   はる

 現在、茶園で栽培されている茶の木のほとんどは挿し木もしくは取り木という方法で増やされている。もともと種子で増える茶の木を、このような方法で増やすようになった理由は、種子には変種を生じることが多く、また、交配によって作った新種は、種子による繁殖を繰り返している過程で元の品種のいずれか一方の性質に戻る傾向があるからである。これでは茶の木の品質を一定に保つ上に不都合があるため、挿し木や取り木といった繁殖法が施された。また、このように充分な肥料を与えられ、繁殖した茶の木は花を咲かせない。花を咲かせると、主要となる葉にわたる栄養分が花にとられ、葉にまわる栄養が減ってしまうため、茶園経営者としては不都合なのである。このような茶の管理法は人間にも例えることができる。現代では、均一性を求める管理法が社会全体に染わたっている。そのための原因は二つ考えられる。(第一段落 要約・社会実況)
 まず、第一の原因として、高度成長期の大量生産が考えられるだろう。大量生産とは、読んで字のごとく、モノを大量に生産することである。しかし、いくら大量であっても手間が掛かっていては、コストもそれに比例して大量にかかるため効率が悪い。そこで、機械的に、最も重要とされる部分だけを丁寧に、且つ大量に生産されるようになった。この方法だと、永遠と同じ作業であるため、手間も掛からず、楽であるが、長く続くと進歩がない。その上、社会の活力もなくなり、活性化しなくなるため、どんな場合であっても、私達は常に手間を掛けたモノ作りを心掛けなければならないだろう。(第二段落 原因1・社会実例)
 また、社会における日本人の横並び化も考えられる。学校教育においても、個性重視と言い張りながら、均一化を図っている学校が多い。生徒側も、自分が他人からはみ出ず、同じであることに安心し切っている。家庭内においても、両親からの過保護によって、その子供がニートやフリーターに身を寄せ、いつまでも親元を離れないでいる。茶の木における充分な肥料ともいえる過保護は、自らの子の成長を自身で止めてしまっているのだ。(第三段落 原因2・体験実例)
 確かに、遺伝子的に同じモノを管理することは簡単である。しかし、そのような管理法を続けていては、誰一人として成長・発達するものは出てこない。管理とは、より生きやすくするために手を施すことではなく、困難な道で乗り越えていく力を培わせ、よりたくましくすることである。そのことに、管理する側はもちろんのこと、管理される側も気付かなければならない。(第四段落 反対理解・自作名言)

   講評   tama

 お茶の栽培に見られるように、品質を一定に保つためになされる工夫は必要ですが、管理が行き過ぎると社会の活力を低下させてしまうということですね。(キーワードを入れて「…に問題がある」とすると、論点がよりはっきりしてくると思います。)行き過ぎた管理教育や、家庭内での過保護、過干渉により子どもの自立が妨げられているという現代社会の問題など、豊富な実例を挙げながら書き進めることができました。

第二段落: 生産者側は、同じものを大量に作り続ければ手間がかからず、コスト削減にもなります。消費者側から見ても、一定の品質が保たれている方が安心できますね。「常に手間をかけたモノ作り」という意見もいいと思います。

第三段落: 第二段落同様、実例のあとに意見を入れておくといいでしょう。

第四段落: 上から押さえつけたり、常に安定した状態に置いておくために手助けをするばかりでは、自ら開花(自立)することはできません。自立を促すことが、管理するものの役割だということですね。よくできています。
 
 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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