国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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危険なスペシャリストたち うっちー
今の日本では特定の分野に特化した人こそが立派だと評価することが多い。プロのツアーで史上最年少優勝を成し遂げたハニカミ王子を始め若いアスリートたちが連日テレビのワイドショーで取り上げられたり、バラエティ番組に出演したりする。彼らは朝練をこなしたあと登校し、放課後には一目散に帰宅してまた練習といったその競技のスペシャリストになるために鍛錬を重ねている。もちろんそういった努力は報われようとそうでなかろうと十分尊敬に値するものだが、今はオールマイティな人たちよりもそういった人たちのほうが優れていると考えられがちだ。今の日本のゼネラリストを軽視するスペシャリスト志向は問題だ。その理由は二つある。
第一の原因は日本が戦後に成長するために各々が自分の得意分野で日本を伸ばそうと役割分担をしたからだ。役割分担のもっとも有名な例はトヨタ方式で、そのノウハウでトヨタは世界有数の企業に成長した。トヨタの躍進で役割分担は能率のよい方法として日本中に広まった。私の学校でも本来なら生徒の代表である生徒会が一致団結して取り組まないといけないはずの体育祭や文化祭にも役割分担があってそれぞれ専門の委員たちで話し合って物事を決める。お互いに与えられた役割には全力を尽くすが、それ以外のことにはあまり協力的ではない。(笑)現に先生に文句をいわれて泡を食ってプログラムの決定や資材確認に奔走している体育祭実行委員長を助ける役員は今日も居ない。
第二の原因は目標となるべき万能の天才とも言うべき人材が注目されることが少なくなったことだ。雷の鳴り響く悪天候の中凧を揚げて、運良く死ぬこともなく雷が電気の集まりであることを発見たフランクリンはその他にもアメリカの独立に大いに尽力しアメリカ独立の父として紙幣にその肖像画をとどめている。
確かにスペシャリストで合ったとしてもそれぞれの分野のスペシャリストたちが集えばそれこそ三人よれば文殊の知恵であるが、人間の将来を切り開いていくのは人間を超越した文殊の知恵ではなく、先人たちの成果を集約したゼネラリストたちの知恵だ。スペシャリストの努力はそれをもっとさまざまな分野に配分するべきなのだ。今の日本人がすべてスペシャリストになろうと考えていることは大きな問題だろう。
講評 nane
スペシャリスト志向の問題ということで書いたんだね。
体育祭実行委員長って、だれがやってるの。専門化が進むのはいいけど、自分の専門以外のことは知らないという人が増えると困るね。専門化が進んだ分、全体の見通しを立てる人が必要になる。
万能の天才の不在は、いい原因。フランクリンもそうだし、エジソンなどもそうだった。社会が複雑になると、個人が個人の力だけで活躍する機会がだんだん減ってくる。しかし、そこであきらめていたら前進はないから、やはり万能の天才をいうものを評価する風土を作ることが必要になってくるんだろうね。
「文殊の知恵」ということわざをうまく使った。
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