国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   はっきりしない日本人   ミスターカービィ

「そこをなんとか」という言い方は曖昧だ。 外国人は、頼まれ事をはっきりと断る。 しかし、日本人は義理人情を大事にし、相手に頼まれたら、断わりづらい性格だ。
 日本人のノーは、絶対的な否定ではない。「そこをなんとか」の表現は、日本人の曖昧な考え方が顕著に表れている言葉だ。
 ところで、日本絵画は「余白」の美を大切にするが、イスラム芸術は、空間を埋め尽くすことを大切にする。
 日本人の可能性を意味する「余白」は画家と鑑賞者の共有空間だ。作者は余白を鑑賞者に想像させ、鑑賞者は余白を勝手に想像し作品を完成させる。日本人は、融通無碍に物事を処理する。≪構成≫
 この文章は、日本人は、はっきりと「イエス・ノー」を言わずに、あいまいに返事をすることが多いという話だ。
ぼくの友達H君も、曖昧な返事をすることが度々ある。ぼくは、親友のT君やS君と、遊ぶことを言いふらす。すると、H君は、それに反応して、
「ぼ゛くも、一緒に遊ばせてよ。」
と、鼠を追いかけている猫のように、しつこく頼んでくるのだ。≪表現≫ぼくは、キッパリ断るが、H君は、
「そこを何とか、頼むよ。」
と、曖昧な言葉を言ってくる。これこそが、日本人の性質であり、特性なのだ。すると、こちらも何か相手の気持ちが分かってくるのだ。そして、最後は、「まあ、また考えとくわ。」と、いって終わるのだ。≪題材≫
 ここで少し話を変えて、違う題に突入しよう。つぎは、ぼくの「絵」についてだ。
ぼくは、絵をかくのが 得意だ。だから、絵を描くときは、用紙を全部使って、絵を描く。もちろん、背景や細かい所もだ。けれど、日本人は、絵に余白があるそうだ。思い返してみれば、友達の絵には、必ず余白があった。それも、日本人の特性なんだろう。けれど、漫画家や図工の先生などの絵は、余白がない。例えば、漫画家の藤子・F・藤雄の名作「ドラえもん」の絵には、ほとんど余白がないのだ。
 ぼくは、このはなしを読んで、日本人は何もかもが甘すぎる、と分かった。 ≪主題≫

   講評   kira

 ミスターカービィくん、こんにちは。きりっとした意見が書けましたね。
● 要約/感想文
 的確にまとめることができましたね。要約で一つの段落にするといいので、改行は入れないで書いてみよう。ひとつの「話題」づくりです。
● 体験実例
 お友達関係のことで、曖昧な表現に出会う体験を書きました。むげに断れないという心理が働いて、きっぱりした判断は通らないことが多いようです。
 もうひとつ絵の方では、日本人の絵は余白があるとはくくれない感じがしてきましたね。細かい描写をびっしり描き込む、たとえば漫画家のような絵は、きっと西洋風の科学の目が入っているからではないかなあ。ミスターカービィくんも、科学の目線をもって表現しているのではないかと感じました。こうした分析を加えるといいね。
● たとえ● ダジャレ表現
 「鼠を追いかけている猫のように」と友達のお願いのしつこい(笑)ようすをたとえました。どうしてもいっしょに遊びたいんだね。
● わかったこと
 ここは、きっぱりミスターカービィくんの意見が述べられました。切れ味のいいものであるだけに、まとめが一文で終わるのは惜しいです。日本は長い間、鎖国して、日本民族だけで暮らしていました。そのときにはみんな同じ日本人らしい感じ方をしていたから、「甘い考え」でつきあっていてよかったのではないかな。曖昧でもOKだったのでしょう。ところが、近代化して日本とは異なった考え方がどんどん入ってくると、そうそう甘い考えではうまく対処できなくなりました。ミスターカービィくんは、そこを指摘したんだね。
 (例)「たしかに、日本人らしい、相手を思いやった曖昧な表現にはやさしさがある。しかし、近代化していろいろな考えが入ってきた現代では、何もかもが甘すぎる日本的な感じ方は、見直す必要があるだろう。」
 こんな風にすると、論理的になるよ。


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