国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ごまかし方式とスピードはっきり方式   なまず

 「そこをなんとか」という言い方はきわめてあいまいである。「そこ」とは何をさすのか。「なんとか」とはどういうことなのか。おそらく、これをそのまま外国語に翻訳したら、まったく意味をなさないだろう。日本人は相手に熱心にたのまれたら、それをむげに断るのは、気がひけるように思ってしまう。日本人のノーは、決して絶対的な否定ではなく、その一部にイエスを含み、イエスは、その中にノーの要素をあわせ持っている。ところで日本人の好む「余白」だが、これは言うまでもなく、可能性を意味する。
 ぼくも似た話がある。ある日のことである。先に一人の友達と遊ぶ約束をした後、もう一人の友達に遊ぶ約束をされたのである。ぼくはそのとき、仕方がないのでこういった。
「うーん。今日はねー・・・・・。遊べないかもしれないな。」
と今考えたようなことを言う。これは、いわゆるごまかしであった。でも、もしその時に
「他の友達と遊ぶから無理だよ。」と言えば、相手がその言葉をどうとらえるかが心配であったからだ。たとえばきらわれたり、相手をきずつけたりしたくないものだ。でも、素直に受け入れてくれるのが一番いいのだが、そういった人はわずかな人数。そう考えるとまるで宝くじのように思える。当たりは、受け入れてくれる人だ。
 もう一つ似た話で、これも友達と遊ぶ約束のことで、友達と遊ぶ約束を計画しようとしたとき、友達が、
「遊べる確率は六十パーセントだな。」
と言った。そういわれると遊べるのか遊べないのかはっきりしない。第一なんでパーセントであらわすのかが分からない。これもごまかしだ。
このときぼくは、どうせ遊べないんだろと心の中で言った。案の定、遊べないと言う返事が返ってきた。それは帰りのときなので、今頃言われたってもう遊ぶ約束ができる人は家に帰っちゃったよといいたいけど、これは仕方がない。相手の都合だから。まるで追いつめられたいたちの悪臭のようだ。ぼくが今まで読んできた本の中で、こんなことが書いてあった。たとえばテレビを見ているとき、お母さんやお父さんに勉強しなさい。こんなこと言われたら、ぼくだったらテレビを見続けてしまい、両親のことなんかまじめに受け入れないだろう。と言うより、生返事で返すしかない。こうやって日本人の言葉はどんどんあいまいになるのではないのだろうかと僕は思う。
 ぼくは、自分や友達の話を振り返ってみると日本人のようなごまかした話のほうが人をきずつけると思う。日本人は本当のことを言わず、ごまかすから、「ごまかし方式」という名にして、外国人は早めにはっきり本当のことを言うから、「スピードはっきり方式」という名をつけた。「ごまかし方式」は、本当のことを言うのをさけてただ遊べないことを言うだけで、一方の「スピードはっきり方式」は、ただすぐ本当のことを言うことである。どちらの方法を使っても相手はきずつく。それだったら早く本当のことを言えばいい。受け入れるほうがぼくは、問題だと思う。僕はこの長文を読んで、友達を大切にしたいからごまかし方式を使おうではなく、受け入れる方がもっと相手の都合を受け入れることが友達を大切にするということが分かった。


   講評   kaki

先週はお休みだったけれど、ちゃんと清書を送ってくれてありがとう。実は、私もこの感想文を清書してもらおうと思っていたので、よかったです。しかも、ただ、同じように書くのではなく、題名をもっと工夫したり、文をつけ加えていたので、前のものより、ずーっとレベルの高いものに仕上がりました。えらい!! 両親の例え話もウマイ! 
4段落目の初めに、「日本人」が「の本陣」に間ちがえて変換されていました。せっかくの上手な感想文が「ぷっ」と笑えてしまえたので、こちらで直しましたね。



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