創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の友人   かおや

先日、学校の交換留学プログラムで2週間の滞在のためにフィリピン人の生徒がやってきた。そのうちの一人に「どうして君はそんなにあの子と仲が良いの? あんまり似た性格には見えないけど」という質問をいきなりされてしまった。その時は日本人はそんな質問を滅多にしないし、友達と仲が良い理由なんて考えたことも無かったので返答に困ってしまった。この問いは非常に難しいものだと思うが、今その答えを考えてみた。
 確かに私の友人は私と似ていない、というかまったく違ったタイプの人間である。例えば、彼はバカ正直で物事をすぐに本気で受け止めてしまうためよく騙されたりからかわれたりしているが私はどちらかというと騙す側の人間で彼もよく標的になる。好きなスポーツも全然違って、彼はサッカー一筋だが私はサッカーは大嫌いでテニス一筋である。得意な科目も違っていて彼は数学が得意な理系だが私は英語と国語が得意で数学はどちらかというと苦手なバリバリの文系である。そんな違う点を挙げたらキリが無いような私達が非常に仲が良いのは似ていないからこそだと思う。似ていないからこそ相手のことをもっと知りたいと思って興味も湧いてくるしお互いの欠点を補って助け合うこともできる。何より自分と違う人といるのはとても楽しい。逆に、私は似すぎている人とは良い友達になれない。似ている人と一緒に居てもつまらないし欠点も同じだったら助け合うこともできないからである。
 友情といわれ思いつく話というと「走れメロス」しかない。セリヌンティウスが処刑されそうになった友人のメロスのかわりに人質になるという正に究極の友情の話である。この二人も似ていなかったと思う。メロスは田舎で羊を飼って貧しい生活をしているのに対しセリヌンティウスは都会で裕福な生活を送っており従者までいるのだ。二人が似ていたと考えるのは難しい。ちなみにこの話のラストはメロスを処刑しようとした王様が二人の友情を見て心を入れ替えメロスの処刑を取りやめるというものである。そして王様は二人の友情に感動して二人の仲間に入れてもらうのである。王様もきっと自分とまったく違う二人に興味を惹かれたのだと思う。
 友人とは人生にとってスパイスのようなものである。スパイスとは料理をするときに味に深みを出すためのものであり、ベースの味とは違っているし、違っているからこそ味に深みを出すのに役立つのである。といっても料理はスパイスがあっても無くても完成する。しかし、そんな料理は絶対に物足りない。それと同じようにもし私に友人がいなかったら私の人生はつまらないものになってしまったと思う。そしてその友人は料理に加えるスパイスのように私とは違っていて、だからこそ大切なのである。もし今また「どうして君はそんなにあの子と仲が良いの? あんまり似た性格には見えないけど」と聞かれたら「違っているからこそ仲が良いんだよ」と自信を持って答えることができる。

   講評   nane

 あらためて読み返してみると、やはり構成がしっかりしているね。
 小論文は、このように骨格がわかりやすいことが第一条件。
 どういうテーマが出された場合でも、あらかじめ自分の頭の中で全体のおおまかな構成を考えて書き出すようにしよう。
 「走れメロス」が生きているね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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