国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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便利さに頼らない生き方 青藍
人類の歴史というのは、火の使用という驚くべき体験によって幕をあげたと同時に、いかにしてその原初の火を制御可能なものにするかという挑戦の歴史といえる。現代では、たくましく焔をあげて燃える原初の火に触れる機会は少なくなった代わりに、火の機能の代替物は、正体のはっきりしないブラックボックスとして、生活の隅々にまで侵入しはじめている。かつての原初の火は、個人のレベルで向き合って対処することができたが、このように社会化されてしまった現在の火は、時に個人の知らぬところで暴発する。
私は、便利さに流されることなく、生きるための知識や知恵を自らの身をもって習得していきたい。
そのための方法としては第一に、便利なものに頼らず、自分の手足を使うことである。
また近年では、今この時間の生活は電気やガス、水道が無ければ成り立たないと言っても過言ではないだろう。しかし便利なものに頼りすぎると、いざ停電が起きたり、火事や地震でライフラインがストップする、という事態が起きた場合に混乱し、なにもできなくなってしまう。確かに、電気やガスを全く使わない生活というのは不可能であるが、マッチを擦ったり、包丁やナイフを使いこなして料理をする、といった程度の力は身につけておかなければならない。
また第二の方法としては、学校や地域社会において、机の上だけの勉強だけでなく、実体験にもとづく学習を取り入れていくことだ。
実際、私が通っていた小学校では農園活動を週2、3回行ったり、高学年で林間学校や臨海学校を実施するなど、自分の力で何かを成し遂げる活動を重視していた。土を耕して一から野菜を作り、その大変さを学んだり、薪を並べて火をおこし、飯盒でご飯を炊いたりと、様々な体験活動を行ってきた。便利な生活のありがたみを実感する反面、ブラックボックス化した自然の力がいかにおそろしいか知ることができた。
確かに、一度便利になってしまった生活を変えることは難しい。しかし、「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある。」という名言があるように、
私たちは自分自身の手足を使って物事を成し遂げ、生きるための知識や知恵を身につけていくことが大切だ。<<主題
講評 hamura
要約がとても上手です。青藍さんの得意な文章でしょうか?
最近は地震などの被害のニュースも多いので、ライフラインのストップ、と言う点を想起して意見を述べることで、ふだんの青藍さんの学習態度などをかいま見られます。また、「マッチを擦ったり、包丁やナイフを使いこなして 」と具体的に提言しているところが特によいです。 話題が社会的なものになると、どうしても「自然に頼りすぎてはいけない」というように大きすぎるまとめになりがちですが、一つでも自分で考え出した具体的方策を述べられると、意見がぐっと力強くなります。
貴重な個人的な体験例では、「何をやってどういう成果があったか」をこれだけコンパクトにまとめられる力はすばらしいです。仕事上の「報告力」のような力です。 「ブラックボックス」という本文のキーワードを使っているのもうまい進め方です。
今回のとくによい点は、いつもながらの「個人例、社会例の2観点」と「まとめ方」「具体的解決方法の提示」でしょうか。これからもこういった点が入っているか確認しながら書いてみましょう。
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