国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   地図のある山中と地図のない横浜で   おくあ

 私は、旅行や観光に行く時、地図を頼りにしていない。まぁ、なんにも使わずに目的地に着いたこともない。私が都会に行く時、いつも頼りにしているのは、駅の天井からぶら下がっている看板、標識だ。今では東京の駅にたくさん表示してある。あの看板がなければ目的地には行けなかっただろう。今私は、駅に矢印の看板があるし、有名じゃないところに行かなければ地図なんていらないよ!!という考えかたになってきている。他にも、最近では、ケータイでナビ、車の中にもナビになっている気がする。駅の中でない時や、看板がない時には便利かもしれない。しかし、昔から使われている地図はどこへ行ってしまったのだろうか。私は地図を使いながら目的地に行ったことは、山の中くらいしかない。都会で地図を見ながら進んでいると、建物が多いし、きっと立ち止まりながら進まなくてはならないだろう。人ごみの中だったら迷惑がられるに違いない。地図はどのように使えばいいのだろうか。また、地図を持たないとしたら、どうやって目的地に行けばいいのだろうか。
 他人の情報を利用することは大事だ。例えば、まだ行ったことのない場所に向かうとき、知り合いから●●通の銀行のところを右に曲がって…など、よく聞く話だ。そんな情報や、パソコンであらかじめ調べてプリントアウトした地図を使用すると、迷子になることなく目的地に着ける。私が地図って便利だなぁと思ったのは、先ほどもあげたように、山の中をキロ歩いた時だ。14泊15日のキャンプに行ったとき、山の中で与えられた地図や、ヒントとなる写真を駆使しながら目的地である、キャンプ場から25キロ離れた公園を目指す。というものだ。歩く場所は山の中。この道を何回も通ったことがあるという人はさすがにいなかったので、地図を頼りにして歩いて行くしかなかった。途中、二手に分かれた道があり、私たちは間違った方を選択して進んでしまったが、すぐに間違っていることに気づき、戻ってきちんと目的地にたどり着けたのだ。(ちゃんと与えられた地図どおりに進めた人は私たちの班しかなかったのだが)地図もないのに、山の中を歩いて行ったら大変なことになっていただろう。しかし、それでも進めたケースはあった。(フィクションだと思うが)今放送している、受験の神様というドラマでは、合宿の中で、山登りをして、その山の上にテントを張りそこに寝ていた。しかし、先生は生徒に手紙を残し、置き去りにしてきたのだ。その手紙には、明日の日の出までに帰れなかったら、クビ。と書いてあった。梅沢広たちは、いたずらをする女の子がいたために、その手紙を半分に切り裂かれ、ヒントとなる道に落ちている赤いリボンもすべて違う方向に投げられていた。そのため、何もわからないまま戻っていた。しかし、さすが受験をする小学生たちは、木の年輪の方向や、星の向きを利用して、結局はゴールにたどり着けたのだった。他人の情報をまったく利用していないが、すごいと思った。
 しかし、自分の経験から得た知恵を生かすことも大事だ。前に新横浜駅で、おばあちゃんと待ち合わせをしていたときに、ケータイで「おばあちゃんは横浜銀行の前にいるから。ミスタードーナツの隣だからすぐわかると思う。ここからは●●ホテルが見えるよ。」と言われ、私とお母さんはまずミスタードーナツを探した。新横浜駅については大体知っている私たちだったが、ミスタードーナツってあったんだね!!と喜んでいたのだが、駅の北口を探してもどこにもミスタードーナツは見つからない。ミスタードーナツはあきらめ、●●ホテルを探すことにした。そうしたら、おばあちゃんたちがいる場所の全く反対の方向にきてしまったのだ。横浜銀行なんてないじゃん!!とあきらめかけていた頃、周りを見渡した私は約400メートル先のさっきいた場所に横浜銀行を見つけた。あれ?でもミスタードーナツなんてあの道にはなかったよなぁ…。と思いつつおばあちゃんと会ったら、横浜銀行の隣にあったのは、マックだった!!おばあちゃんだから、ミスタードーナツとマックはかぶっているのかもしれない。これは、自分で試行錯誤して見つけた目的地なのか、それとも他人の情報を利用したのかわからないが、暑くて大変だったのを覚えている。都会で待ち合わせを年寄とするのは田舎もんにとっては大変なのだ。
 確かに、他人の情報を活用していくことも、自分の体験で方法を見だすこともどちらも大事である。しかし、一番大切なのは、「理想に到達するための手段はまた、理想への到達を阻む障害でもある」という名言があるように、その方法をうまく利用することである。今回の新横浜での事件は、横浜銀行の前というただ一つの手がかりがあったため、いろいろとうろついたが、目的地にたどり着けた。また、自分の住んでいる団地内では、自分の記憶を頼りにして、目的地にいくこともいいかもしれない。いま、どこでも「地図」が無料で手に入る時代になってきたが、必要な時は地図を使い、不要な時は自分の記憶だけを使って、自分の足で歩くようにしたい。

   講評   inoko

 おくあさん、こんにちは。
目的地にたどり着くには、地図というのはとても便利なものですが、ときに地図の読めないという人もいます。そのような人は、地図が読めなくても、伝え聞いた目印や自分の記憶を頼りにしたり、通りがかった人に尋ねたりしながら、きちんと、目的地に到着するものです。彼らにとっては、地図というすばらしい情報はあまり意味がなく、それよりも行き当たりばったりに得たヒントのようなものを元に、まるで謎解きをするかのように進んでいくのでしょう。かつて私もそのような地図を苦手とするタイプでした。そんな私でも、仕事で見知らぬ土地を歩かなければならないという必要に迫られ、だんだんに地図というものが、私にとって有効な情報となってきました。しかし、地図が読めるようになったというのに、今度は皮肉なことにまるで謎解きをするかのように進むことが苦手になってしまいました。地図を頼りにすることに慣れてしまったので、どうも勘が鈍くなってしまったらしいのです。ですから、おくあさんが書いている結論は、私にとっては少し耳が痛いものです。ただ、案外、私のような人は多いかもしれませんね。カーナビを始め、GPS全盛時代ですから。

おばあちゃん→祖母、お母さん→母


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