創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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本当の平等とは 周
社会的に大きな変動が起こったとき、以前からそこにあった社会的条件と関係しながら、特定の地域の人々やなんらかの職業集団といったかたちでまとまって影響や被害を受けやすい人たちが「選びだされて」しまう。このようなハンディは「もの」の量や、「権利」や「法」の平等だけでなんとかなるようなものではない、きわめて社会的かつ文化的なものなのである。経済開発によって引き起こされる社会的変化の場合には、その「線引き」がたいてい異なる文化や民族集団、エスニシティといったもののあいだに出てくる。私たちは、本当の意味での平等を実現していくべきである。
第一の方法としては、慣習や思い込みを考え直していくことだ。男女雇用機会均等法が制定され、法の上では男女差別はなくなった。求人広告も男性や女性に限定するというようなことも書かなくなった。看護婦など、性別を限定するようなものもなくなった。しかし、なんでも平等であればいいというわけではないだろう。第一、男性と女性は違い、それぞれに向いた仕事というものがある。力仕事は女性に比べて力がある男性のほうが多くなっているし、外国では違うようだが、日本ではフライトアテンダントはほとんどが女性である。
第二の方法としては、国際理解をすすめるために情報の普及をはかることだ。昔の外国の教科書は日本について、公害がひどく、酸素マスクが必要などと書いていたという。日本といえば、科学技術が発達しているというイメージを持っている外国人が多いという。しかし、ドラゴンボールは韓国の漫画だと思っていた韓国人もいたそうで、日本をより理解してもらうために、もっと情報の普及を進める必要があるのではないだろうか。
確かに、法的な平等を確保していくことも大切だ。しかし、本当の平等とは、権利上だけの平等ではなく、すべての人々が平等に過ごせることである。私たちは文化的、社会的なものから来る影響を乗り越えて、本当に平等な世界をつくるべきだ。
講評 kira
周くん、こんにちは。日本の国はもともと海で囲まれた単一民族の国だから、民族や主教などによる紛争が起きるような風土ではありませんでした。しかし、人権学習が大切だと叫ばれるように、さまざなま差別があったのも事実です。今では、それも多岐にわたります。歴史的なもの、障害の有無によるもの、国籍の違いによるもの、男女のちがいなどなど、現在進行形の問題がたくさんあります。言葉として平等がわかっていても、なかなか行動にうつせないことが多いようです。
慣習や思い込みは、男女の役割分担といった考え方に根強く残っていますね。「男の子(女の子)なんだから」と、親もついつい押し付けて育ててしまいます。もちろんたくましさやしとやかさがあることは大事なのだけれど、職業や家事などを規定していくと問題がありますね。先日テレビで、町工場で職人として伸びていこうとする若い女性が出てきたことを特集していました。女性の細やかさが精密な技術で発揮されるのだそうです。
情報の普及は、すべてにわたって一番の啓蒙ですね。日本も、アジアの諸国も自国らしさをアピールして、どこも対等の立場をうちたてていきたいものです。
平等が権利として守られるのではなくて、意識として創られるような社会になるといいですね。
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