国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   無限の可能性   くるりんぱ

 私はほとんど毎日のように散歩するコースの一つで、ふと、自分が今どこにいるのかわからなくなってしまった。風景がちょっと変わってしまったことで、持っていた情報に混乱が生じ、定位できなくなったからである。一方で、子供や動物は地図を持たない代わりに、習慣によって獲得した目的地までの道筋や情報を、無意識のうちに蓄積しており、その情報に忠実に行動する限り迷いにくい。人間は、地図という文化を持ったことによって、かえって迷う可能性が高くなった。人間が作り出した情報は、行動の助けになると同時に、反面、使い方がきちんと見についていないと、逆の結果につながる危険がある。
 (複数の意見一)私たちの生活の中で、他人の情報を利用することは大切である。(体験実例)たとえば私は年に二〜三度旅行するが、旅行前にはガイドブックを丹念に読み、インターネットの個人旅行記を必ず参考にする。もちろん下調べもせずにふらっと訪れてみるのも驚きがあって新鮮かもしれないが、そんなに多く旅行できる機会があるわけではないので、一つ一つの旅行を大切にしたいと思っている。となると、そのためには他人の情報は欠かせない。たとえば、旅行のガイドブックの情報を参考にさせてもらって、限られた時間の中で効率よく観光できるように見る順番を決める。あるいは、誰かの旅行記にここではのんびり過ごしたほうがいいと書いてあれば思い切って半日分の空白の時間をつくっておくこともある。限られた時間の中で私たちが納得いく体験をするには、やはり他人の情報を使うことが有益である。
 (複数の意見二)一方で、自分の経験から得た知恵をもつことも大切である。(社会実例)つい先日、テレビで、大人1人と子どもたち10人ほどだけで離れ小島でキャンプ生活を送る様子を放送していた。食事や洗濯なども自分たちで協力し合いながら行い、1週間を過ごすというものである。よくある企画ではあるものの、限られた期間ながら子どもたちはいろいろな体験をすることにより、どんどんたくましくなっていく。はじめのうちこそ喧嘩あり涙ありだったが、本音をぶつけ合ううちにいつのまにかお互いを理解しあうようになり、協力し合うようになっていた。大人は子どもかわいさについ過保護にしてしまいがちだが、このテレビを見ていて、多少つらいことがあってもいろいろな経験を積ませたほうがいいのではないかと思った。私たち大人が作った本には「協力」とは助け合うことである、と書いてある。しかし、いくら本に書いてあるのを見たからといって、「協力」を知ったことにはならない。他の人の気持ちを思いやって助け舟を出したり、逆に助けられたり、ときには悔しい思いをしながらも他人と関わっていくことによって、はじめて協力し合うというのはこういうことなのかと体感できるのではないだろうか。このように自分で経験することによって、はじめて理解できることも多くある。自分の経験から得たものは一生の財産となり、他の場面でも必ず役に立ち自分自身を守る武器となるはずである。
 確かに、他人の情報を使っていくことも、自分の経験に頼っていくことも大切である。(総合化の主題)しかし、もっとも大切なことは(名言の引用)「時間を作る第一の方法は、急ぐことではなくどこに時間を使うか考えることである」とあるように、どのようにして時間を上手に利用していくかということである。私たちは誰もが1日は24時間しかない。この限られた時間を有効に使うために他人の情報が役立つところではどんどん利用させてもらって省力化し、一方、経験を積むことによってしかわからないことには恐れずチャレンジしていくことが大切ではないだろうか。時間の使い方には無限の可能性が秘められている。

   講評   hota

 旅行から戻られたのでしょうか? 早速、休み宿題の作文も書いて送ってくださいましたね。「体験実例」に書いて下さったように、今回も綿密な計画を立て、よい旅行になりましたでしょうか。

 作文の方は、ほとんど言うことがありません。「社会実例」も詳しく書かれています。「総合化の主題」も、なるほど、こういうふうにまとめましたか。よいと思います。

 くるりんぱさんが書いて下さった「社会実例」、確かにこれは「子供達だけで」というのがミソですね。親が一緒だと、子どもの方にも甘えが生じて、頼ってしまうでしょう。「親がいない」という、一種逃げ場がない状況下で、初めて自分の力でやっていく勇気も、覚悟も出るのでしょうね。欧米で盛んなサマースクールの意義は、そのあたりにあるのでしょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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