創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   法律では平等   ビーバー

 普通家族間では上下関係は今のところないはずである。しかし、日本の家庭では未だにそういった「年齢」や「性別」による優先順位の変動はある。私の家族の中でもそういう部分はある。家で一番最初に風呂に入るのは父、最後は母、といった具合である。また、父が家に帰らないうちに食事を始めた際には「父が食べそうなものは一応一定量残しておく」などもやはり、そういった違いによる日本独特の優先順位の決定だと思う。法律では皆平等なはずなのになぜか違いがある。法律と現状では状況が違うのである。そこで私は、中身・外見ともに整った平等を作り上げていかなければならないと思う。
 そうするための第一の方法は、意味のない差別には反論することである。江戸時代の日本にはやはり差別があった。いわゆる「部落差別」である。明治時代の身分制度改正で平民に組み込まれ、江戸時代のようなはっきりした差別はなくなったが、やはりまだあった。その後に薄くなったのは全国水平社が結成され、差別の理不尽さを訴えたからだろう。現在はほとんど差別は無いし、新平民だと分かったとしてもあまり差別する気にはならない。芸能人などの有名人でそういう噂を聞いても、もはや気にかけないほどのレベルである。それはやはり、過去に差別の理不尽さを訴えた人がいたからだろう。このように差別を解消するためには、まず不正を訴えて克服しようとしなければ世の中は動かない。やはり間違っているということを訴えるのは必要なことなのである。
 その第二の方法は、格差を埋めていくことである。現在日本では男女差別だと批判された言葉の改良を行っている。病院や保育園など、さらには商業関係の場でまで、細かく改称されている。しかし、実質あまり変わっていない。そういう名称に縁が無い人(私のような)は変わっても意識できないし、まだ日常生活の範囲内では男女の上下関係がはっきりしているところもある。そういうのは無理やり変えても直らないと思う。日本で男女間の地位の溝を埋めることは難しいが、無理やりでなく、抵抗のないような形で変えていけば、今までずっと女性の役目であったものが男性もやるようになる、という時代は近づくだろう。
 確かに、法律の上で平等を定めるのは平等な人間関係を築く上での基盤になるだろう。しかし、それはあくまで基盤でしかないのだ。基盤を作ったところで基盤を生かせなければ意味がない。「法律は権利を左右する完璧なものではなく、人間関係にはあまり関わらない基準である。」つまり、国がいくら法律を改正して頑張ったって人間関係には手が及ばない。人間関係をもっと平等にしたいなら、まず意思のある人、当事者、その他の人々が声をあげ、人間そのものの考え方を変えていくべきである。そして、本当の平等という物を手にするのである。

   講評   nane

 これは、力作。よく考えているね。しかも、難しい語彙をよく消化して使っている。高校1年生でこれだけ書ければ十分。この実力は、これからずっと続くよ。
 状況実例の、家族の食事風景は面白い。父親を立てて母親は一歩下がるというのは美徳だけど、大事なことは、男性がそこに安住しないことだね。
 差別には声を上げるというのは大事。日本では、上の人が決めてくれるまでじっと待つというタイプの解決策が多いけど、やはり当事者が問題点を直接述べることが大事だね。
 今回の自作名言は、いい形。「法律は権利を左右する完璧なものではなく、人間関係にはあまり関わらない基準である」。しかし、文がちょっと長いか。「法律とは完成された○○ではなく……である」ぐらいに縮めていくと切れ味がよくなると思うよ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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