創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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喧嘩と紛争 ビーバー
中学受験をするため塾に通っていた頃、同じ学年に双子がいた。授業が始まればクラスが別なので喧嘩は起きないが、授業が終わって昼食や夜食の時間になると決まって涙を伴った言い争いになり、周りは結構行動や対処の仕方に困っていて、塾のスタッフでさえ手を焼いていた。しかし、このような喧嘩はどうして起こるのだろうか。私はそんなに深く考えたことは無かったが、これが国家レベルになるといわゆる「紛争」になるのは分かった。他者と否定的な意味で比較をすることによって喧嘩は起きているのだ。私は、他者との比較によって自己を確立するのはやめるべきだと思う。
その第一の方法は、自分の長所を見つけることである。一般的には自分のみを対象にして自分を確立することが良いとされる。しかし似たもの同士ではそういった比較ができなくなり、相手を否定することになってしまうが、自己確立の方法とは違う。肯定的に自己確立すればユーゴの紛争のような悲劇は起きないだろうし、紛争に限らず相手を傷つけたりすることはない。私の場合兄弟では好きな食べ物までもが対照的になっている。こういった似たもの同士における極端な差というのは、似たもの同士だからこそ起こるものだと思う。自己確立のためには、まず自分の中から変わらないといけないのである。
確かに、自分の抱える問題は他人との比較で浮かび上がってくる。「紛争の構成要素には武力衝突だけでなく相互の誤解もある」このように、他者に対する批判で納得していては、まだまだ自分が確立していない。自分が完全に確立されるようになるきっかけは、肯定的な意味で自分を表現できるようになった時である。そういう状態になるまで、人類はどのくらい時間をかけるのだろうか。自分の考え方を見直さない限り、永久に紛争はなくならないだろう。
講評 nane
圧縮しただけでなく、表現の仕方も変えたんだね。
「確かに、自分の抱える問題は他人との比較で浮かび上がってくる」は、簡潔だけど密度の濃い文。
「自分が完全に確立されるようになるきっかけは、肯定的な意味で自分を表現できるようになった時である。そういう状態になるまで、人類はどのくらい時間をかけるのだろうか」も格調高い。
記念に残る作文だね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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