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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私のおじいちゃん   うさちゃん

 「ちょっと、大変だ!すぐ来てくれ!」
日曜の早朝、血相を変えて祖父が上がってきた。
 私の家は二世帯住宅で、父、母、妹、父方の祖父母と一緒に暮らしている。祖父は、頑固で、せっかちで、心配性だ。プラス、祖母が言うにはそれに『ボケ』も入ってきているという。(笑)祖母は、祖父のぐちを言いによく母のところにやって来る。母はいつも笑って聞いているが、私達にも火の粉がかかることがある。今朝がその良い例だ。
 「どうしたの?」
話を聞くと、誕生日より一足先に買ってもらった私の新品ほやほやの自転車に祖父が乗り、ライトを壊してしまったと言う。
「おれが壊したんじゃない!ちょっとスイッチを触ったら戻らなくなったんだ。不良品じゃないのか?」
と自分でやった事を認めない。まあ、いつものことだ。なぜ祖父が私の自転車に乗ったかというと、つまりこうだ。祖父は私の新しい自転車が、私には大きすぎるのではないかと気になって仕方がなかったのだ。そこで、早朝から試しに試乗したのだ。あちこちのギアや、スイッチ、サドルなどをいじっているうちにこうなってしまったというわけだ。
「初めから不良品だったんじゃないのか〜?直してもらってこい。」
と言って部屋に入ってしまった。
たまたま父が出かけていていなかったけれど、もしいたら、「なんで子供の自転車に乗るんだよ!」とけんかになっていただろう。
まあ、冷静になってみれば、私が乗ってもなったかもしれないから、ある意味祖父には感謝しなくてはいけない。
 祖父はこのように自分の失敗には甘いが、人の失敗にはすごく厳しい。例えば、誰かが玄関の鍵をかけ忘れたり、出かける時間に遅れそうになると、ずーと怒っている。確かに鍵をかけ忘れるのは危ないし、遅刻しそうになるのもいけないことであるが、何度も何度も繰り返し怒られるのはたまらない。しかし、何度も言うのは「躾」であって感謝しなければならないのかもしれない。このように、人間とは、分かっている事を言われると、なかなか素直になれないものであるという事が分かった。
 「おい!さっき出た時、玄関の鍵がかかっていなかったぞ!」
通りすがりに祖父に声をかけられた。
「あ〜!はい、はい、はい!」
「物騒な世の中なんだか・・・。」
「すいません!すいません!すいません!」
祖父が全部言い終わらないうちに、「はい」と「すいません!」を三連発してさっさと逃げてしまう私であった。やっぱり、長時間説教にはかなわない・・・素直になれない私です。ごめんね、おじいちゃん。

   講評   tama

 おもしろくて、一気に読んでしまいました。(笑)。「頑固で、せっかちで、心配性」だというおじいちゃんの人柄を絵に描いたようなエピソードが、実にテンポよく、ユーモアたっぷりに書かれていますね。そんなおじいちゃんのことをぼやきながらも、温かく見守るおばあちゃんと、ぐちを聞きながら笑っているお母さん、おじいちゃんの行動にあきれるお父さん、という家族像が浮かび上がってきます。おじいちゃんはきっと、かわいい孫娘であるうさちゃんのことが、心配で心配で仕方がないのでしょう。なかなか素直になれないけれど、心の中では感謝しているうさちゃんですが、その気持ちは、おじいちゃんにも伝わっていると思いますよ。作文を読んだあと、うさちゃん家を訪問して、おじいちゃんにお会いしてみたくなりました。

【一般化の主題】 今回のテーマは「家族」なので、「(人間にとって)家族とは…」と考えてみるといいでしょう。(例: お互いに足りないところを補い合うもの。いつも安心して自分のありのままを出せる相手、など。)


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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