創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ひとつの生命として キティ
「地球交響曲」のシナリオハンティングのため、ラップランドの森を歩いた。一歩足を踏み入れると、最初に出迎えてくれるのは、美しい若葉の緑などではなく、実はおびただしい数の蚊やブヨの大群なのだ。しかしバリヤーを自分のからだの周囲に築いてしまうと、森と対話する最も重要な回路を自ら閉じてしまうことになる。森の本当の美しさは、五感のすべてが解放されてこそ見えてくる。そして、全身で森と対話した時、初めて森は私を受け入れてくれる。森はすべての生命がそれぞれの役割をにないながら、ともに一つの生命のシンフォニーを奏でている。私は、見にくい部分や不快な部分も含め、自然のなかの一員であるという自覚を持って生きて行きたい。(生き方の主題)
そのための方法は第一に、すべてのものが助け合って生きていることに気づくことだ。(複数の方法一)先日、我が家でゴキブリが発見された時も、大騒ぎだった。第一目撃者の母は絶叫し、新聞を丸めて目を光らせながらゴキブリと格闘している。父は
「ゴキブリ一匹くらいで……」
と呆れていて、私はというとこれ以上関わらないようにとこそこそと自分の部屋に戻る(笑)。(ユーモア表現)(体験実例)私達は、ゴキブリなどの虫を見ると、すぐに排除しようとし、蝶々などきれいな虫を見ると、自分の肩に止まってくれたらと願うこともある。しかし、どれも一つの生命だ。一匹の害虫を殺せば、それを天敵としていた生き物増え、また何か害を及ぼすことにつながる。ゴキブリ一匹でも、自然界を支えるために貢献しているのだ。
また第二の方法としては、地球もひとつの命として大切に守ろうとすることだ。(複数の方法二)8.2週の長文に「今日、人類が直面している危機を乗り越え、新しい文明への道を拓くためには、発想を一八〇度転換して、技術からではなく、資源からの発想に切り換え得るかどうかが鍵となることであろう。」と述べてあるように、これからは資源の使い方も考えていかなければならない。例えば、学校の屋根を太陽光発電にすることだ。厳しいことかもしれないが、こうすれば自然との関わりをより身近に実感できるのではないだろうか。
確かに、快適な暮らしのために開発することも必要だ。(反対意見への理解)しかし「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」(名言の引用)という名言もあるように、地球はひとつの命として生態系のバランスを保って生きている。人間はその一員として大きく調和して生きていかなければならない。(生き方の主題)
講評 koni
【第一段落】 要約は、よくまとめていますね。生き方の主題もばっちり。「見にくい→醜い」のほうがいいかな。
【第二段落】 一つ目の方法を挙げて、体験実例を書くことができました。情景が目に浮かぶような表現ができましたね。お母さんの動作の説明がすばらしい。「ゴキブリなど」「蝶々など」と例を挙げて説明したところもわかりやすくていいね。
【第三段落】 二つ目の方法を挙げて、長文実例を書くことができました。ここから、自分達にできることを考えて書いたところがいいね。9.1週の言葉の森新聞の「奈良公園のシカ」の記事にも、おもしろいことが書いてありました。以下、引用しますね。考え方を少し変えるだけで色々なことができそうですね。
そこで、私がいつも思っていることは、全国の公園にニワトリなどを放し飼いにしておけば、子供たちが毎朝タマゴ探しをして楽しく遊べるだろうということです。また、全国の街路樹を味気のないユリノキなどでなく、食べられる果樹にすれば、これも毎日子供たちが木登りをして楽しいだろうと思います。もちろん、このことによっていろいろな問題が出てくるでしょうが、面白さに比べたら出てくる問題はいずれも小さなものです。
更に、全国の公園で、野球やサッカーのグラウンドのような出来合いのスペースを広くとらずに、だれでも自由に火をたけるカマドを作れば、いつでも近所でキャンプができて楽しいはずです。これも、いろいろな問題があるでしょうが、すべて楽しさ優先に考えれば問題は解決します。
【第四段落】うまくまとめることができました。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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