国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   対岸からの視線   紫式部

 読書で「刺激」を感じるのは、本が王道のストーリーではなく予想もしていなかったようなレールに断線した時だ。ストーリーという名の線路を静かに走っていても何も生まれないし、ただ流れていくだけで何も考えない。驚くような脱線をして初めてそこに「刺激」と「創造」が生まれるのだ。これは本に限ったことではなく、大切なのは優れたものとの距離であると思う。亜流にならないためには、一歩はなれたところから対象物と向き合い、思考してみる。これが大切だ。
 そのための方法は、客観的になることだ。いくら優れたものであっても夢中になりすぎては肝心なところが見えない。冷静な気持ちで全体を見なくては自分の考えがなくなってしまう。
誰もが知っているハリーポッター。多くの人に支持されている優れた作品であると思う。私はこの本が大好きだ。しかし最近、ハリーポッターの何を見ていたのか? と少し自分が情けなくなる様な事があった。最新作の封切から幾日も経っていないある日のこと、仲間内で映画の話になった。友A「いやぁーやっぱ今回の目玉は魔法戦争でハリーたちの平穏な日常にいきなし影が・・・みたいなとこっしょ!!」私「えー、やっぱー、チョウとハリーのキスでしょぉ。」友A「お前、いっつもそーゆーとこだよなぁ」何気ない会話。でも内心ドキッとした。私ってハリーポッターの何処が好きなんだっけ? 「いっつもそーゆーとこだよなぁ」そう、私はいつもそうなのだ。上っ面だけの会話、考えに流れる。楽しいし、楽だから。でも、「そうじゃないだろ。」自分に、喝。思った以上に大きい父親の影、友の死、なずけ親との死別・・・光の部分だけ見ていても影の部分は見えてこない。ストーリーに身を任せているだけでは自分の視点は育たない。時には、あえて脱線して物語と対話することも大事だと思う。
 確かに、優れたものから学ぶ姿勢は大切だ。しかし、「寄らば大樹のかげ」のようにあまりにも影響力のある対象物に近づきすぎると自分の成長が妨げられるだろう。私は、自分を成長させるために、優れたものから学び取る姿勢と同時に物事を俯瞰して対岸から考える姿勢も同時に持ちたい。  

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。優れたものと触れ合うことは大切で、そういうときには一歩置くことが大切だというテーマでしたね。いわゆる「天邪鬼」のすすめではないかと思うのです。
 何かに入門してその奥儀を会得しようというときには、よく「己を虚しうしてのぞめ」と言います。このスタンスが定着して、私達はよりよい学習者として育てられてきたために、納得上手になっているのではないでしょうか。
 だからこそ、あえて分からず屋の天邪鬼になって思考の世界で暴れてみることも大切なのだということでしょうね。「対岸から」とう表現がいいですね。俯瞰するとき、客観的でかつ当事者でもありたいですね。

 もうひとつの方法も考えてみるといいね。環境面で、自分らしい考えを発言できる場をつくっていくといったものなどが考えられますね。


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