低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
一番の喜び ショウ
「よーいスタート!」
僕はゆっくりとスタートした。
昨年の十月、学校でスポーツテストがあった。僕はこの日を楽しみにしていた。なぜなら、僕の得意な「シャトルラン」という持久力のテストがあるからだ。「ドレミファソラシド」の音が流れている間に向こうのラインまで走り、また戻ってくる、というものだ。音が流れている間にラインまでたどり着かなければ、それでおしまいだ。この前にやったときは四年生で、記録は六十四回。これは低、中、高学年の中で一位、そして中学部の何人かを上回った。みんなから
「すごいね」
と声をかけられてとても嬉しかった。さて今回は……
いよいよ始まったシャトルラン。最初から飛ばすと息が切れてしまうので、歩くほどの速さでスタートした。初めの頃は余裕だったが十回を回ったところくらいからわき腹が痛くなってきた。「大丈夫かなぁ」こういった思いが何度も頭に浮かんできた。五十回を回ったところで、疲れていたせいか「ドレミファソラシド」の曲が少しではなく、まるでスタートしたときの二倍、三倍にも速く感じられた。
一緒にやった他の人は途中であきらめてしまったり、ルール違反をしてしまったりして、どんどん落ちてしまった。最終的に僕一人だけになった。全校生徒の視線がいっせいに自分に向けられるので、緊張した。そして六十二回目、合わなかった。結果は六十一回だった。昨年より記録は落ちてしまったが、五年で小学部一位になれたことが何よりも嬉しかった。
母に話を聞いてみた。母は中学生のとき合唱コンクールで、クラスで優勝したのだそうだ。曲は『つばさをください』だったそうだ。低音部は自分たちでメロディーを考えて何週間か前から放課後に練習した。まじめに歌わない生徒がいたり、高音部、低音部の歌い方のことでクラスの意見があわずにけんかになったりして、もう出場をやめよう、と言う人もいて、母は家に帰って泣いたそうだ。でもぎりぎりまで話し合いをして、一生けんめい歌った当日は優勝。母は感激して、また泣いたらしい。苦しいときがあったからなおうれしかったのだろう。
人間は一等になると必ず嬉しくて、必ずいつまでも記憶に残ると思う。今年もまた、シャトルランがあるので、今回は七十回を目標に、そしていければ八十回を目指して頑張りたいと思う。
講評 siro
ショウくん、こんにちは。進級試験の作文がんばりましたね。項目、字数共にクリアできました。進級試験は合格ですよ。おめでとう。
今回は、「シャトルラン」で一位になったことが書けました。この競技は先生はやったことがないけれど楽しそうですね。でも、それも最初のうちだけなのかな。次第にドレミの音が速く聞こえてきて、苦しさも増してくるのですね。周りの人がどんどん脱落していったというところからも、その競技の過酷さが伝わってきます。そんな中で、ショウくんは一位になれたのですから、すごいですね!
お母さんから聞いた話も上手にまとめられています。「つばさをください」は、お母さんにとってまさに思い出の曲ですね。
大変よくできました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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