創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間の自己家畜化   

 家畜やペットは人間に飼われていて自由ではないが、その人間も決して自由ではない。人間はいわば社会システムに参加することで社会に飼育されているといえるだろう。さらに、現代の青年や子どもは、その「自己家畜化」が「自己ペット化」にまで進んでいる。
 しかし、やはり人間にはある程度の自己家畜化は必要だ。
 その理由は第一に、これだけ集団で暮らしている世の中で一人一人が好き勝手に過ごすと、大きな損傷が出てしまうからだ。例えば電車が動かなかったりするのはまだいい。だが、人の生死を握る病院などが運営されていなかったらとても困ったことになるだろう。身近な所では、母親が料理も作ってくれないかもしれない。政府も会社も店も学校も、誰も働くことをしなければ、世の中はどんどん荒れていくだろう。現代社会では一人一人が社会を支える役目を担っていて、お互いに協力し合うことで秩序のとれた安定な生活が保てているのだと思う。
 第二に、自由気ままな生活を送ることで、時間の大切さや、時間を有効に使おうという気持ちがなくなるからだ。私たちは学校や会社などで縛られていない時間内で、遊んだり寝たり本を読んだりして休みを楽しむと思う。それは裏を返せば、縛られている時間があるからこそ本当に楽しめるのではないか。つまり、縛られている時間があることで自由な時間を幸せだと感じるから、限りある時間を大切にし、本当に楽しんで有効に使えるのだと思う。しかし、それがすべて自由な時間になってしまったら、活動と休みのけじめがつけられなくなり、だらだらとした生活を送って結局は自分のために良くならないと思う。これは、今問題になっているひきこもりに対してもいえることなのではないか。
 確かに、自己家畜化をしないほうが人間は社会に依存しなくて良いのかもしれないし、その方が自由なのかもしれない。しかし、今人間が社会に依存していることで、それぞれが自分のやりたいことを職業にできるともいえるのではないか。そういった自由がなくなったら、それはそれで不自由だと思う。わたしは、第二の理由に挙げた、「寒さに震えたものほど、太陽の暖かさを感じる」という名言のような時間の使い方がメリハリがあって好きなので、やはりある程度は自己家畜化をするべきではないかと思う。

   講評   inoko

 空さん、こんにちは。
家畜化というと、少々ビックリしてしまいますが、現代社会の仕組みを考えてみると、確かにそのような側面がありますね。現代人は忙しい。ときの流れは速く、立ち止まることを許されないようにも感じられます。その時代の波に乗り遅れまいとしていると、さて自分は何をしたかったのか、何のために生きているのかわからなくなってしまいそうです。やはり人間には、自分の思いのままに過ごす時間も必要なのですね。オンとオフの使い分けができてこそ、この流れの速い現代で、自分らしく人間らしく生きることができるのだと思います。


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